チェ・ゲバラ
2009年の幕開け早々に公開される話題の映画がある。キューバの英雄チェ・ゲバラの人生が題材になっている2部作だ。1月10日に公開される1作目が「チェ 28歳の革命」、1月31日に公開される2作目が「チェ 39歳別れの手紙」というタイトルである。映画の詳細については、公式ウェブサイトで紹介されているので興味ある方はご覧になってみて下さい。
チェ・ゲバラについては以前一度河合さんの紹介記事で触れたが、実はユーラシア旅行社の女性社員の中でも絶大なる人気を誇る英雄だ。社内を漫遊していると、時々その写真を机や棚に見かける。キューバに行くツアーも結構多いユーラシア旅行社のみならず、凡そキューバとは縁がなさそうな町中の洋服屋においてもよくその顔写真がプリントされてTシャツを見かける。権力に対して屈服せず、一貫して戦い続けた姿勢が共感を呼ぶのだろう。キューバ以外の南米の国を始め、チェ・ゲバラTシャツは世界各地で見られる。それだけ支持が厚い英雄とは一体どのような人物であったのだろうか。男として後学の為にも学んでおきたい・・・。
チェ・ゲバラは1928年アルゼンチンの比較的裕福な家庭で生まれた。元より血気盛んな一面はあったらしいが、彼が革命に走り出す大きな一歩となったのが、オートバイでの中南米周遊だ。時は1950年代。第二次世界大戦が幕を閉じ、東西冷戦が激しさを増した頃だ。中南米の諸国も例外ではなく、米国の影響が強い各国の政府に対する共産(社会)主義勢力の抵抗運動も珍しくはなかった。チェ・ゲバラも激動の中にある中南米諸国を巡り、様々な人と触れ合う内に赤い思想に傾倒していったと言われている。その後キューバでの革命を志すフィデル・カストロと運命の出会いを果たすと、その片腕となり、寡兵でありながら巧みなゲリラ戦術を用い、キューバ革命の成功を支えた。カストロの革命政府では要職に就き、戦場からデスクワークに身を転じた。しかし、理想を実現する為の妥協など知らないチェにはデスクワークは向かなかったのかもしれない。ソ連を中心とした共産(社会)主義から中国同様一線を画すようになり、それが元で政府を去った。
新体制樹立に貢献した人物が新政府を間もなく去らざるを得ない状況はよくある事だ。日本の西郷隆盛、イタリアのガリバルディなどすぐに思い浮かぶが、いずれも故郷では国民の信頼が厚く、得てして政府に残って勝ち組と思われた人間より現在では高い評価を受けている事が多い。チェも然りである。しかし、チェが世界的な英雄たる所以はただ身を引いただけではなく、他国に渡り各国の左派ゲリラを自身先頭に立って鼓舞して回った事だ。そして最後の戦場となったボリビア戦線においても勇敢に戦い、最後政府軍に射殺するまで獅子奮迅の活躍をした。享年39歳。その名前は今や中南米を始め、世界各地でカリスマである。
今日のキューバを訪れると、至る所でチェ・ゲバラに触れる事になり、改めてその存在の大きさを思い知らされる。既に共産(社会)主義は各地で崩壊し、冷戦も終りを告げた。資本主義が全盛を極めた20世紀後半であったが、今回の金融危機でその資本主義にも疑問が付されるようになってきた。世界的な活字不況の中で、ドイツの本屋ではマルクスがよく売れているらしい。資本主義の危機で、既に過去の遺物とされていたマルクスの理念がひょっとしたら光を浴びるかもしれない。しかし、第二のチェが現れる事はないだろう。良かれ悪かれ、無双の国士とは彼のような男の為の言葉だ。ユーラシアの女性社員達の気持ちも分からないでもない・・・。
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コメント
キューバ・・・去年の2月に行ってきましたよ~。(河合サンではなかったけど)確かに国中「ゲバラ・ゲバラ」米ドルが使えないはずが・・・トロピカーナショーはドル建てというのがウケマシタ。ゲバラの奥様が書いた本(題名忘れましたが)で流布されているゲバラとは違った面が書かれていて面白かったことを倶楽部ユーラシアで思い出しました。何時も楽しく読んでますよ~。
投稿: マ~ツオさ~ん | 2008年12月24日 (水) 22時13分
マ~ツオさ~ん
いつもありがとうございます。ゲバラの2番目の奥さんの本まだ読んでいませんが、数ヶ月前に発表されて話題になってましたね。キューバにおけるゲバラ熱にフィデル・カストロ議長も苦笑でしょうか。船出したばかりですが、ラウルさんの元で観光推進が更に進むことを願っています。
投稿: 管理人 | 2008年12月26日 (金) 12時54分