フランスで最も美しい村
先日応募総数約4,400件の中から「人の営みが作った豊かな自然と景観」というポイントの元で審査が行われ、日本の里100選が選出された。(詳細は左記ウェブサイトをご参照下さい。)以前からあった「日本で最も美しい村連合」とどういう兼ね合いになるのかが気になるところだが、こうした取組みが活発化する事は個人的に嬉しい。
こうした運動の先駆けとなったのが1982年にフランスで始まった「フランスの最も美しい村」という運動だ。昔ながらの景観や生活・文化がよく残っている地方の村の現在を守る為に行われている運動で、認知度も年々高まっている成功例だろう。ユーラシアの旅でもコート・ドールやコンクを始め、多くのツアーで積極的にフランスの最も美しい村々を訪れている。
この「フランスの最も美しい村」運動は、過疎化や近代化に悩む地方の村に大きな光を与え、特に観光の側面において成功していると言えるだろう。一頃地方自治体では、企業やその工場の誘致などで雇用を創出し、現代をなんとか生き残る戦略が主流であったが、この運動のおかげで新しい選択肢が出来た。ただやみくもに増えて行くと制度自体が廃れるので美しい村に選ばれる為には厳しい審査があるが、他国でもこのような制度があったりするが、フランスにおいてはうまく機能している。フランスにおいてはと書いたのは、他国でもこのような運動が制定されているが、イタリアを始め、浸透度を高める事に苦戦しているからだ。仮に成功し過ぎて商業主義がはこびるような結末に陥る可能性もあるが、失われていく物を守る為には止むを得ない側面もあるだろう。
それ故、日本のこのような運動が草の根から持続可能な成長を遂げ、古き良き日本文化が守られる事を願いたい。旅行会社社員としてではなく、一個人としての切なる願いである・・・。
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