ストーンヘンジ(イギリス)
先週末、TBS系のTHE世界遺産で「ストーンヘンジ、エーヴベリーと関連する遺跡群」が放映されていた。不覚にも見逃してしまったが、ケルト系ドルイドの神殿説を否定する内容だったと耳にした。これは重要な問題である、個人的には・・・。
先日の記事「アーサー王の続きと過去の思い出」の中で、変人であったイギリス人のリーダーに連れられてアーサー王の魔術師マーリンの境地に近づくために彼が篭ったという洞窟に行った事、シェイクスピアのリア王の気持ちを理解する為に雨降る冬のダート・ムーアを彷徨った事を紹介した。実はこの話にはまだ続きがある。
イギリスのストーンヘンジの用途には、神殿や墓所など諸説唱えられてきた。その一つにドルイド達の聖所であったという説がある。特に20世紀以降に多くのドルイド教(ケルト人達の宗教)や原始的宗教信者(と多くの観光客が)夏至の日にこの遺跡を訪れるようになった。日本でも話題になるぐらいだ。ちなみに寒いので夏ほど盛んではないが、冬至の日も日の出が綺麗にストーンヘンジに差すので、巡礼の対象になっている。
さて、そんなある日イギリス人のリーダー(ちなみにこの人は実は教師)がストーンヘンジに行こうと言って来た。マーリンの洞窟やダートムーアの貴重な経験を経た私達の胸中を嫌な予感が駆け巡った事は言うまでもない。現在ストーンヘンジは円陣の内部に入ることはできないのだが、どういう訳だかイングリッシュ・ヘリテージ(イギリスの文化庁に相当する省庁)に特別許可をもらって来て中に入るという。もちろん日の出の時間帯だ。さすがに冬至の日にそんな事は出来ないが、そのちょっと前に我々はストーンヘンジに行くことになった。
イギリスの冬の朝は寒い。しかし、マーリンの洞窟やダートムーアで揉まれてきた私達はこの頃にはある程度免疫が出来ていた。もちろん寒くはあったのだが、このイギリス人がわざわざ来たのは物見遊山の為ではない事を知っていたので、むしろこの先何をやるのかが懸念された。誰もいないストーンヘンジの敷地を抜けて、円陣の中に入る。東の空はもう白み始めている。そこでイギリス人は話し始めた。「ドルイドや異教(キリスト以前の原始宗教)の信仰は自然と深く結びついていた・・・」。横に並ぶ生徒達の顔を見渡すと、だいたいみんな察しているようであった。今日はそのドルイドや異教徒の信仰を体験する為に来たのだと。まぁ、それ程無茶ではないだろう。
ストーンヘンジの石の円陣の中で我々は人の円陣を組み、その中心にイギリス人が立って何やらぶつぶつつぶやいていた。(ケルト語?)
その後全員で東を向き、ご来光を仰いだ。雪もちらついていた日であったが、幸いに太陽はある程度眺める事が出来た。ドルイドや異教徒の信仰はよく分からなかったが、純粋に神秘的な光景であった。そして日の光は凍える体に暖かかった。
私が見逃した日曜のTBS「THE世界遺産」は、ストーンヘンジのドルイド神殿説に異を唱えるような内容だったらしい。イギリス人に送りつけようかと思ったが、もう一度来いと言われそうなので止めて置く事にした・・・。
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