アレキサンダー三昧
現在、横浜で開催中の「開国博Y150」の一環で、「海のエジプト展」というイベントが開かれている。この展示会では、アレキサンドリアとその近郊に位置した三都市から発見された遺物を公開している。面白いのは、ほとんどの物が海中から引き上げられているという事だ。つまりこの古代三都市の大部分は、現在では海の底に位置しているのである。
かねてよりこの展示会に興味を持っていた私は先日意気揚々と会場に向かったが、なんと入場券を買うのに1時間弱並ばなければならないと言う。「こりゃ、だめだ」と諦め、代わりに同じく話題を呼んでいる映画「アマルフィ」を見に行った。映画はそれなりに楽しめたが、高じるのは「海へのエジプト」への思いばかり。満たされぬ私は、その足で映画「アレクサンダー」を借りて家路に着いた・・・。
日本では2005年に公開された映画「アレクサンダー」は、華々しい英雄の快進撃だけではなく、東方遠征における大王の苦悩も映し出されている。結構史実にも忠実なので、歴史に興味がある方にはお勧めだ。この映画は、大王の部下の一人であったプトレマイオスが語り手として書記官に大王の回顧録をしゃべるような形で一部進行していく。オープニングでプトレマイオスが宮殿で書記官達と相対する場面では、窓の外に古代アレキサンドリアの風景が描かれている。ファロスの灯台やムセイオン(古代最大の学問研究所。有名な図書館はこのムセイオンの付属施設)らしき物も見えた時は鳥肌が立った程だ。
映画は大王が死ぬところで終わる。古代史最大の謎の一つであるアレキサンダーの遺体と墓について何か出てくるかと期待したが、そこには残念ながら触れられていなかった。期待したというのは、プトレマイオスが大王の遺体を奪ってエジプトに運び、ミイラ化した上でお墓を作った事だけはほぼ間違いないからだ。以前紹介した「マギの聖骨」という小説では、それがアレキサンドリアで登場するのだが・・・。
満たされぬ私は、ビデオを見終わった後、近くの本屋に出かけた。もちろん目的はアレキサンドリアである。色々見ていたら、面白そうな本が見つかった。その名も「アレキサンダーの暗号」という一冊の小説だ。なんと主人公は考古学者、舞台はエジプト、そしてプロット(主題)はアレキサンダーの遺体と墓と来ている。途中から夢中になって止められず、結局翌日の昼まで一気に読み切った。
あっさり「海のエジプト」展から映画「アマルフィ」に切り替えた代償は安くはなかったが、その頃には憔悴しきっていた体とは裏腹に、心は満たされた・・・。
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