2010年3月25日 (木)

ネムルート山(トルコ)

Nemurut_statue2 紀元前の歴史に興味を持つ者にとってアナトリア(現在のトルコ)程惹かれる場所もそうない。ギリシャとトルコは今でこそ仲があまり良くなく、ヨーロッパとアジア、キリスト教とイスラム教のボーダーで分断されているが、古代には深く結びついていたのだ。

今日紹介するのは、現在のトルコの南東部にあるネムルート山(海抜2,134m)。世界遺産に登録されているこの山の頂上部には不思議な光景が広がっている。

Nemurut かなり古い時代から信仰を集めていたと思われるネムルート山だが、その頂上部に人工的な宗教施設が登場するのは紀元前1世紀である。当時のトルコ東部は、アレキサンドロス(大王)後、ローマ以前の時代で小国がいくつも乱立していた。その中の一つであるコンマゲネ王国の王アンティオコス一世がネムルート山を自身と神々を祀るための場所に仕上げたのだ。一般的にこの場所はアンティオコス一世の墓でもあったと言われている。

Nemurut_sunrise ネムルート山は一年の約半分は雪に覆われており、訪問できる時期が夏の前後数ヶ月に限られている。訪ねる時間帯は朝がお勧めだ。ネムルートから眺めるご来光とその光に浮かび上がる像の姿が見られるからだ。実際多くの人がこの時間帯にネムルート山を訪れる。

ネムルート山はだいぶ高いところまで車で入れるので、上ると言っても30分前後で特に構える必要はない。但し、夜明け前のこの一帯は夏でも寒いので、防寒対策は十分にしておいた方が良い。あと懐中電灯もあるといいだろう。

Nemurut_statue山頂部に着くと、暗い中でも頂上、そして周囲に散乱している変な形の石が徐々に見えてくるはずだ。これがアンティオコス一世が築いた壮大な宗教施設とお墓?の跡だ。アルメニアやペルシャの影響もあったこの地域では、古代ギリシャの神々が東方の神々と融合して独自の神として祀られていた。元々はどの像も台座の上に立派に座っていたのだが、その後の時代に頭部が切断されて、その辺りに一杯転がっているのである。

地平線が徐々に赤く染まり、周囲にある像にも少しずつその光が注がれる。その光線は強さを増し、標高2,000m超の山頂部に真に神秘的な風景が広がる。寒い中上がってきた甲斐があるというものだ。頂上部は一周できるようになっていて、日の出を待つ東側と共に、西側のテラスも見逃さないように。生涯に一度は訪れてみて、悠久の歴史を肌で味わってみたい・・・。

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