2010年7月15日 (木)

アラル海(ウズベキスタン)

Aral1 なんだか未だ手探りだが、先週2度目のメルマガ読者ランキングアクセスランキングの7月分を公開した。これまでの解析からもテレビが与える影響が少なからずある事が分っていたが、今回はあまり名前を聞いたこともないような「カラカルパクスタン共和国」なる国を訪れるツアーが何とアクセス一位になった。躍進の原因は6月4日に放映された「ビートたけしと7人の賢者」の番組の中でアラル海の現状が取り上げられ、そこから検索でツアーに辿り着いた(そして恐らくその後直帰した)ユーザーが多かった事にある。そんなアラル海とはどんな場所なのだろうか。

Aral2 アラル海は正しくは中央アジアに位置する湖である。50年前までは、カザフスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンの三国に跨る68,000平方kmの面積を持つ世界第4位の大きさを誇る広大な湖であったが、わずか50年の内に5分の1の大きさに縮んでしまった悲劇の湖でもある。現在ではトルクメニスタン側の水は干上がっている。

この記事に添付している写真は全てかつてアラル海だった場所に佇む廃船だ。かつてのアラル海は漁業が盛んで、地元の多くの人が漁業で生計を立てていた。しかし、1960年代以降湖の縮小はあまりにも早く、数多くの漁船が陸に取り残され、そのまま打ち捨てられた。一週間で100m以上湖岸が縮む事もあったそうだ。想像出来ない。

Aral3 何故このような事態になってしまったのか。その答えは人間である。今日のウズベキスタンを訪れると、綿花畑が広がる風景が見られる。夏の終わりには一面に白い花を咲かせ、収穫される綿は現在では多くの地元の人の生活の糧になっている。しかし、本格的な綿花栽培がこの地域にもたらされたのも50年前ぐらいからである。アラル海の水量が減少に転じ始めた時と同じである。

綿花栽培の為には多くの水が必要である。その水を元々はアラル海に注いでいた川から引き、結果としてアラル海に注ぐ水は減って湖の水量が減少の一途を辿っていったのだ。このような明らかな結果に対し警鐘を鳴らした人もいたようだが、経済優先の政策により何ら食い止められる事もなく今日のような事態に至ったのだ。ある意味アフリカにおける砂漠化の拡大よりも痛ましい事象である。その原因のほぼ100%を人間が作り出してしまっているだけに。

私はビートたけしさんの番組を見られなかったのでそこでどのような結論に達したのかどうか分らないが、こうした番組を通して多くの人がアラル海の現実に関心を持ち、知るようになった事は悪い事ではないだろう。

アラル海まで行くツアーはそう多く催行されるようなツアーではないが、当社のサイトの中でも数多くのアクセスを集めた事もまた悪い事ではなかろう。毎月ツアー解析のグラフで眺めるアクセス集計は味気ないが、こういう背景まで加味すればランキングにも様々なドラマが見えてくる・・・。

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