シリア・ヨルダン添乗徒然~その3~
シリアは砂漠の国というイメージがあり、実際国土の半分以上は砂漠だが、地中海性気候と降雨をさえぎるレバノン山脈が途切れた北東部は緑豊かな大地が広がる。このあたりは古代より肥沃な土地で、古くは約3500年前にラムセス二世とヒッタイトが世界最古の講和条約を結んだカデシュの戦いでこの地の領有権を争い、古代ローマ時代には穀倉地帯として帝国の兵站を支えた。中世にはエルサレム攻略を目指す十字軍がこの地を獲得し、その後一度奪ったエルサレムを失った後も尚この地方の勢力は維持させた。それもすべてこの肥沃な大地によるもの。
その大地の恵みが食卓に並ぶ。アラブ料理にはレバノンを中心に発達したホブス(パン)、フンムス(ヒヨコ豆のペースト)を始め、ナスやゴマのペースト、オリーブ、ヨーグルトなどが並ぶ前菜メゼがあるが、それに加えて生野菜がどんとテーブルに並ぶ。これがうまい!新鮮な野菜にちょっとオリーブオイルや塩をかけて食べる。お客様の顔も自然にほころび、添乗員としても嬉しい限りである。前菜で勢い余ってメインディッシュを食べきれない方も少なくなかったが、肥沃なこの地方の恵みがもたらされた食卓を後にした一行の顔は満ち足りていた。期待をしていなかったお客様も喜んでくれたが、何を隠そう一番喜んでいたのは私かもしれない。少なくてかつて何回か来ていた頃に食事がおいしかったという記憶はあまりなかったので、いい意味で期待を裏切ってくれた。そしてその後もよく食べた・・・。(次回に続く)
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コメント
昨年夏にお世話になりました。シリアの食べ物本当に美味で思い出に残っています。
写真がそっくりなので同じクラックシュバリエのレストランですね。野菜ばかりですが今思い返すと贅沢な食事をさせて頂きました。
投稿: | 2011年2月28日 (月) 10時29分
コメントありがとうございます。
恐らく同じクラック・デ・シュバリエのレストランです。
日本ではなかなかありつけない贅沢な食事ですね。
今後ともどうぞよろしくお願いします!
投稿: 福永 | 2011年2月28日 (月) 12時57分