2011年5月 4日 (水)

スペインの聖週間

Semana_santa_sevilla3日本は今ゴールデンウィークだが、スペインでは先日セマナ・サンタ(以下聖週間)と呼ばれる祝日の多い一週間が終わった。スペインと言えば、三大祭りに数えられるセビリアの春祭り、バレンシアの火祭り、パンプローナの牛追い祭など華やかか熱狂的なお祭りが有名だ。スペイン人は情熱的とよく言われるが、こういうお祭りのイメージから来ている部分もあるだろう。しかしスペインではこの三大祭りと同じ、或いはそれ以上の規模で開催されるお祭が聖週間だ。

その聖週間は熱狂的でも華やかでもないお祭りだ。一言で言えば厳かという言葉があてはまるだろうか。

Semana_santa_sevilla2 聖週間とは、復活祭前日までの一週間を指しており、プロテスタントでは受難週とも呼ばれるように、エルサレム入城から最後の晩餐、磔刑に至るまでキリストの受難が続いた週である。他国では復活祭は土着の春の到来を祝う祭りとも同化しつつ、割合明るく楽しいお祭りとして行われる事が多いが、敬虔なカトリックが多いスペインでは厳粛に行われる。

Semana_santa_cuenca スペインの聖週間の予備知識なしに見に行くと、たいがいの人は面食らうという。まずあの独特のコスチュームだ。KKK(クー・クラックス・クラン)と同じようなとんがり帽子の顔全体を覆う頭巾が行進しているからだ。その色も地域によってとりどりなのだが、少々不気味に感じてしまう人もいるだろう。この仮装した人々がキリストやマリアの像を担いで街中を練り歩くのだが、沿道の人々は歓声を上げるような事はあまりない。むしろむせび泣いている人もところどころにいる。女性は喪服に身を包んだ人も多く、キリストの受難を悼む厳粛な時間が過ぎていく。華々しく着飾った春祭り、豪快な火祭りや熱狂の牛追い祭で大きく盛り上がっていたスペイン人達と同じ人とは思えないぐらい雰囲気が異なるのだが、これも敬虔なカトリック教徒が多いスペインの文化の大事な一部分なのだろう。

Semana_santa_ronda ちなみにスペインの聖週間にとんがり帽子が登場し始めたのは数百年以上も前の事なので20世紀のKKKとは一切の関連はない。そもそもKKKは反カトリックの団体であったので、何故似たようなコスチュームを用いたのかは不明だ。スペインでこのようなコスチュームが広まった理由は、最も多くの罪を犯した者がキリストへの信仰を示すために聖週間に進んで行列に加わり、像を担いだ事に由来する。神の赦しを得る為の行為だが、自身が大きな罪を犯した事を周囲に知られたくないという理由から個人が特定されないこのコスチュームが誕生したと言われる。中世の頃でも個人情報保護は重要であったというところだろうか。

華やかなお祭りも良いが、素顔のスペインを探し求めるなら、聖週間のスペインがお勧めである。この記事をここまで読んでもらえたら、きっとこの不気味な行列の奥にあるスペイン人の信仰心に触れる事ができるだろう・・・。

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