2011年7月26日 (火)

ピルゼンとピルスナービール(チェコ)

Czech_beer1 夏もいよいよ本番。またじわじわ暑くなってきて喉が渇くこの頃、やはりきーんと冷えたビールがおいしい。普段は一人では飲まない私も先日ラーメン屋でつい注文してしまったぐらいだ。日本のビールも多品種少量生産化が進みつつあるが、いずれも大きな分類では麦芽が作ってホップの苦味を生かしたピルスナービールに属する物がほとんど。日本ではラガーの名の方が通っているが、ラガーの中でもピルスナーなのだ。

そのピルスナービールの故郷がチェコ西部のピルゼン(プルゼニ)だ。今日は日本の夏とも無縁でないこの町のビールを紹介したい。

Czech_beer2  古代メソポタミアまでそのルーツを遡る事が出来るビールは、ヨーロッパの北側の国々中心に徐々に根付いていった。技術も少しずつ進歩して行ったが、19世紀に入っても粗悪な黒っぽいビールが少なくなかった。

1842年11月11日ピルゼンの醸造に関わる者達が黄金色の液体を囲んでいた。独自の技術で生まれた新しいビールである。そのビールを口にした者は興奮を抑え切れなかったと言われる。「新しい時代の到来だ。」と声を掛け合った醸造者たちの言葉は、今日の普及率を踏まえれば決して大げさではなかっただろう。

Czech_beer4それからピルゼンの醸造所でこの新しいビールが作られ始めたが、それでもいくつか問題にぶつかった。一つは複数の小醸造所が生産をしていた為に、味の均一性が取れておらず、質もそれ程高められなかった。これは大きな工場に生産を集約する事で徐々に解決出来た。もう一つは、ビールを飲む為の容器である。当時ビールはポットのような野暮ったい大き目の容器でぐびぐび飲まれる事が多かったのだが、それではピルスナービールの味が伝わらないと、ピルゼンの人々が編み出したのが、右のグラス、「ピルスナーグラス」である。ピルスナービールと共に世界中に広まったこのグラスは、今日ビール以外の飲み物にも利用されるようになり、日本でもお馴染みだろう。

ピルゼンのビールの名声は町を越えてどんどん広まり、当時チェコを治めていたハプスブルク家のフランツ・ヨーゼフ一世の耳に届いた。皇帝は噂のビールを求めてピルゼンの町まで赴き、ピルスナービールを口にした。その時残した名言「私は今後ピルゼン産以外のビールは口にしない。」は醸造業に携わる人の誇り。

Czech_beer7 今日のピルゼンの町では、今も由緒あるビール工場から世界中にピルスナービールが運ばれている。ピルゼンのピルスナーは特に「ピルスナー・ウルケル」と呼ばれ、普通のピルスナーより少し濃い目の味がする。是非試飲を楽しんでみて欲しい。チェコはプラハが有名だが、ピルゼンのピルスナービールもチェコを味わう上では欠かせない一杯だろう・・・。

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