2011年8月23日 (火)

トロイツェ・セルギエフ大修道院(セルギエフ・パサード、ロシア)

Sergiev_posad1 昨日馴染みのお客様からお電話があり、念願のロシアの黄金の環に出かけると仰っていた。良い旅になる事を願いたい。秋のロシアに関しては一日だけ立ち寄ったモスクワで寒波に見舞われ、ナポレオンとフランス軍の気持ちがよく分かった寒い思い出しかないが、例年だと黄金の環は黄葉の木々に彩られて素敵な風景が広がっているはずだ。

スズダリ、ヤルスラーブリなど黄金の環にもみどころが多いが、個人的なお気に入りはセルギエフ・パサードである。

Sergiev_posad2 セルギエフ・パサードはモスクワの北東約80kmに位置する人口約10万の小さな町だが、その中心にロシアを代表する一際目を引く建築がある。トロイツェ・セルギエフ大修道院である。ロシア正教会の中でも重要な位置を占めるこの教会は宗教・歴史の観点でも興味十分だが、私は個人的には外観のデザインが気に入っている。

Sergiev_posad3 教会の起源は14世紀半ばで、トロイツェ(三位一体)に捧げられている。町の名前の由来ともなっている聖セルギイが建設した。セルギイは後に列聖され、この地に眠った。16世紀に入るとモスクワの外郭都市であったセルギエフ・パサードの重要性は増し、最上部の写真のように大修道院一帯を囲む白い城壁が建てられた。大修道院自体も増改築が重ねられ、元々の木造教会から徐々に現在の姿に近付いていく。中でも青い玉ねぎ坊主(屋根)を持つ左上のウスペンスキー聖堂は鮮やかな装飾が施され、今でもこの修道院の装飾上の主役と言えるだろう。遠くから眺めても近くから眺めてもその姿は麗しい。

Sergiev_posad4 聖地として栄えて来ただけあって内部の装飾も必見。ウスペンスキー大聖堂のイコノスタシス(東方教会において礼拝堂と祭壇を区切るイコンで埋められた比較的高い壁)は世界を代表するイコノスタシスの一つである。現在でも重要な聖地の一つであり、絶えず訪れる巡礼者の姿も見かけられるだろう。

ロシアと言えばサンクトペテルブルクやモスクワの二大都市が旅の目的になりやすいがそこにセルギエフ・パサードを含む黄金の環の町々を並べてもそん色ないだろう。また帰国したお客様の良い報告を聞ける日が楽しみである・・・。

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