2012年5月16日 (水)

美食の町リヨンの昔と今

私の好きな町に、フランスのリヨンがあります。

南東部に位置するローヌ・アルプ地方の中心地であり、「美食の町」としてその名をよく知られています。

実は、リヨンで昔から受け継がれてきた庶民の料理は内臓系や淡水魚が中心で、決して高級料理という位置づけではないのです。それなのになぜ、今この町が美食の町として知られているのでしょうか。

19世紀末、社会構造の変化や産業の発展、第1次世界大戦の勃発などにより、男性が重労働に従事せざるを得なくなりました。そのような流れの中、ブルジョワ階級の雇われ料理人として働いていた女性たちは独立して働くようになり、家庭料理とブルジョワ料理を融合させ、シンプルで質の高い料理を作り出すようになったのです。それらの郷土料理は、今日では「ブション」と呼ばれる大衆食堂で手ごろな値段で味わうことができます。

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そんな女性たちの中に、1933年、女性として初めてミシュラン三つ星を獲得したメール・ブラジェという人物がいます。そして彼女の弟子の1人が、現在フランス料理界の巨匠として世界に名をはせるポール・ボキューズなのです。

二十歳でメール・ブラジェの元で見習いを始め、50年代以降は巨匠フェルナン・ポワンの下で本格的に修行を積み、57年には生家のレストラン「ポール・ボキューズ」を受け継ぎます。「ヌーヴェル・キュイジーヌ」と呼ばれる新しい革命を料理界にもたらした彼は、その翌年にはミシュランの1つ星を獲得し、61年にはフランス最優秀職人の称号を取得、その後65年に獲得した三つ星を、現在に至るまで40年以上維持しています。恐らく彼無しでは、リヨンが世界中に「美食の町」として知られることはなかったでしょう。


その後、リヨンではポール・ボキューズ主催の料理コンクールなども開かれるようになり、日Dscn1149_2


本人を含め世界各国から料理人が修行に訪れるまでになっています。ミシュランの星つきレストランも増え、良質の食材を用いた昔ながらの郷土料理も評価されてきているので、今後ますます美食の町としての名を馳せていくことでしょう。
ユーラシアの旅でも、ポール・ボキューズにご案内するツアー、リヨンに連泊するツアーなどもありますので、その洗練された料理を是非味わってみてはいかがでしょうか。

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