暑い日には、博物館めぐりへ
本日で7月も終わりです。東京でも真夏日が続いていますが、皆さまお変わりありませんか。暑い日には、ゆっくり博物館鑑賞もお勧めです。先日、契丹を取り上げていました、TBS「世界 ふしぎ発見」はご覧になりましたか。
10世紀初頭、騎馬民族の契丹は、耶律亜保機(やりつあぼき)によって統一されました。当時、北宋やウイグル、高麗などとも交流をもって発展をし、現在の中国東北部、カザフスタンやロシア、モンゴル、内モンゴル自治区など広大な領地を有した国家でした。この契丹国は、領土が広大であっただけでなく、周辺国にも大きな影響を与えていたようです。ロシア語のキタイや、英語のキャセイは中国大陸を指す言葉として契丹は現在も使われています。
今回の契丹展では、九州国立博物館の協力のもと行われた発掘調査で出土したものを展示しているのですが、世界初公開のものが50件もあります。そのほかにも非常に貴重なものが多く展示されています。
世界初公開の一つに、10世紀前半の木棺があります。誰ものかはわかっていませんが、豪華な副葬品から、契丹の皇族の女性のものであることは間違いないようです。木棺には台座も設置されており、周りには浮き彫りや箔押しといった装飾が施されています。この木棺は、トルキ山古墳から出土されたものですが、盗掘されていなかったため、オリジナルの状態で発掘されている非常に貴重なものです。他にも鏡と奇石をちりばめた専用箱の鏡箱鸚鵡牡丹文鏡(かがみばこ おうむぼたんもんきょう)や、2枚の鍍金銀板をあわせた装飾品、花文板飾り(かもんいたかざり)も同時に発掘されています。どれも現代に通じる美しい装飾品で、そのままアクセサリーとして身につけたいと思えるものも多くあります。
8月11日(土)午後2時~3時30分からは、原田一敏氏(東京藝術大学大学美術館教授)による「唐と契丹 華麗なる金銀器」の講演予定もります。
9月までしばらく開催期間がありますので、是非足を運んでみて下さい。(津波)
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