ヴァザーリに縁のフィレンツェの観光地(ユーラシア旅行社のイタリアツアー)
イタリア、花の都フィレンツェ(フローレンス)
大聖堂やウフィッツィ美術館など有名な観光地や教会が目白押しで町全体が美術館のような美しい都です。
さて、今日はそんなフィレンツェを2度目、3度目に訪れる際にはぜひ注目していただきたい、ルネサンスの芸術家ジョルジョ・ヴァザーリの作品を紹介します。
ジョルジョ・ヴァザーリの絵画や建築ももちろん後述はしますが、彼が美術史で大いに貢献しているのが、彼の前の世代~同時代にかけての多くの芸術家(レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロetc)にまつわる逸話を記した『芸術家列伝』の存在です。
ややゴシップ風なところもありますが、芸術家達の人間味溢れるエピソードを知ることによってより彼らの作品が身近になります。
またルネサンスのいい意味での「人間くさい」時代への寄与も大きいでしょう。
フィレンツェでヴァザーリに出会える所で見逃せないのがヴェッキオ宮殿とヴァザーリの回廊です。
ヴェッキオ宮殿は、現在も役所として使用されていますので
空港のようなセキュリティー検査をくぐって建物に入ります。
500人収容できるという“500人広場”の両壁には
ヴァザーリの手による壁画がかかっています。
近年の研究で、この壁画の裏には描きかけの下絵が2点あり
ひとつがレオナルド・ダ・ヴィンチによるもの、
もうひとつがミケランジェロによるものであることがわかっています。
完成していれば2大巨匠の絵を一度にみられるはずだった・・
ということに落胆したのは当時のヴァザーリも同じだったのでしょう。
下絵を損なわないように、繊細にその上に自身の絵を重ねています。
もうひとつのヴァザーリの回廊は、
当時フィレンツェの有力者であったメディチ家の屋敷(現在のピッティ宮。博物館群の中にはラファエロの作品などがあるパラティーナ美術館もあります)から事務所であった現在のウフィッツィ美術館まで政敵に襲われずに通勤が出来るようにヴァザーリに設計させた約2KMの専用通路です。
2つの建物の間にはアルノ川が横たわっていますので
そこに以前からあったヴェッキオ橋に2階を設けてクリア。
途中立ち退きに応じなかったライバルの家のところでは
廊下はコの字型に迂回し、教会の側を通るところでは
廊下からミサに与れるように窓も設けられています。
メディチ家が収集した美術品は、メディチ家が滅亡する際に全てフィレンツェの町に寄贈され、他所に行くこともなくこの場所に残っています。
ヴァザーリの回廊には、画家たちの肖像画がならび壮観です。
ヴァザーリの回廊は完全に予約制で、
美術館主催のツアーに参加しないと立ち入ることが出来ません。
予約の時間、所定の場所で待っていると、やおら壁に扉が現れ、薄暗い階段からヴァザーリの回廊へと誘われます。
束の間の天上人の気分を味わいながらピッティ宮へ。。
特別なひと時となることうけあいです
(山岸)
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コメント
いつかまたフィレンツェへ。。
投稿: ナタリン | 2014年1月16日 (木) 20時41分