2015年7月 2日 (木)

モロッコの魅力が味わえるドラマ

私はあまりドラマを見ないのですが、実はNHKで放映される外国のドラマは比較的高確率で見ています。

最近まで『ダウントン・アビー 華麗なる英国貴族の館』をちょこちょこみていました。
ヨーロッパは昨年2014年が、第一次大戦開始100年、ということもあり、20世紀初頭をモチーフとした小説やドラマがその前後の年にかなりブームになった様です。

英国では関心が高いのか、19世紀から20世紀にかけてのある家族の歴史を追った小説もかなりでています。こういう小説ですと、歴史的背景とか文化や価値観の変化が少しづつ起きていたことを登場人物を介して実感できますので、面白いです。

ということで、満を持して?NHKへやってきたのはスペインのドラマです。
『情熱のシーラ』
これ、原題は〝EL TIEMPO ENTRE COSTURAS″と言います。意味は「縫う時間」。

20世紀初頭から半ばにかけて、スペイン内戦と第二次大戦の頃にひょんなことからお針子をしつつ、スパイをすることになった女性シーラの物語です。
個人的には原題をオシャレに訳してほしかったんですが、ドラマはオシャレな当時のファッションも楽しみつつ、日本人になじみのないスペイン内戦期から中立国であった第二次大戦頃までを知ることが出来る歴史ドラマです。

内戦の記憶はスペイン人にとっては本当に負の遺産と言っても過言ではなく、そこで起きた悲劇的な出来事に関して、いろんな人が口をつぐんできました。内戦に至った理由も、日本人にはいまいちわかりにくいかもしれませんが、当時の共和政府に対し、このままではスペインの伝統(文化とか信仰とか)というものが、無くされてしまうのでは…という考えがあったのかもしれません。同じ国で街で村で、時には親族同士で、その考えの違いが殺し合いに発展してしまい、最終的には共和政府が半ば自滅する形で、反乱軍のフランコ将軍が政権を握ったのですね。
しかし、フランコが亡くなり、彼の下で養育されていた前国王フアン・カルロス1世によって王政が復活し、時がたち、新しくフェリペ6世が即位されて、少しづつ明らかにされてきた内戦での出来事をようやくスペインの人達も冷静に受け止められるようになってきたのかもしれません。

21世紀になり、小説や映画の題材として以上に、学者たちの中で研究が進み、明らかになったことも多いようです。
そうしたことが、今度はドラマや小説に還元されてきているのかもしれません。
因みにドラマは激動の20世紀半ばを舞台に物語が進んでいくので、退屈しません。


さて、物語の最初の舞台はマドリードから。その後、主人公がひとめぼれした男性とやってきたモロッコへ移ります。
当時はスペインの保護領でした。
ふたりは高級ホテルに泊まり遊びまくります。
しかし、その後色々あって主人公のシーラは文無しどころか、借金を抱えることになります。ひとめぼれし、一緒にモロッコまできた恋人も失った主人公はティトゥアンの下宿に身を寄せます。

この当たりから主人公はなんだか危険な世界に引きずり込まれてゆきます。
おりしも1936年前後、つまりスペインで二つの政治的な対立の緊張が高まり、いつ内戦になってもおかしくない時期でした。

意外に知られていないかもしれませんが、内戦はスペインモロッコ駐留軍が進撃を開始したのが始まりといわれています。というわけで、シーラはそんな緊張感一杯のモロッコを舞台に活躍します。

Photo

まずはティトアン。当時はスペイン保護領でしたが、恋人に逃げられたシーラがお針子としてデビューし、様々な人と交流していきます。
歴史上の人物とのかかわり、モロッコの街中を行き交う民族衣装のジュラバの男たち。
モロッコへ一度でも訪れた事のある人なら、その街並みを懐かしく思うことでしょう。

これから物語が佳境に入ります。スペイン内戦の後、第二次大戦が勃発するとスペインは中立国になります。そのため、当時敵対していた英仏とイタリア・ナチスドイツの将校が集い熾烈な情報合戦が繰り広げられるのです。




物語の後半にはカサブランカも舞台として登場します。
そして、あの!映画『カサブランカ』の舞台となったカフェも出てきます。

Photo

世間知らずのたんなるお針子だったシーラが、スパイとして成長した姿が見られることでしょう。
因みにユーラシア旅行社のモロッコツアーでもこのカフェにご案内してますよ~。(齋藤晃)
ドラマはNHKです。

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