2015年8月 3日 (月)

『僕たちの家(うち)に帰ろう』 映画 8月29日(土)ロードショー 

ユーラシア旅行社で密かに人気が出ているコース、
それがシルクロードツアーです。

砂漠でしょ、と思われた皆様、違います。シルクロードは結構複雑なんです。
砂漠もあれば美しい草原もあるのです。

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ただ、乾燥が進み砂漠化しているところも多い模様ですが…。

今回はそんなシルクロードの出発地点近くの甘粛省にある河西回廊を舞台にした映画を紹介いたします。

8月29日(土)から渋谷で上映される『僕たちの家(うち)に帰ろう』に出てくる一組の兄弟の視点は、いろんなことを考えさせてくれます。

街に住み、学校へ通う兄弟。兄はおじいさんの所に。弟は学校の寮で暮らしています。
お父さんはたまに街に来て、子供達と短い時間を過ごします。
そんな中、夏休みになったら身体を壊したお母さんに会いに行こう、とおじいさんが提案します。そして、二人はケンカしつつもお母さんに会いにラクダに乗って旅に出るのです。

とにかく、放牧しているはずのお父さんを探すため、河を探してながらひたすら西へ向かうのです。

兄弟姉妹というのは、普段は仲が悪いことも多いでしょう。でも、二人ボッチの旅はケンカしつつもなんとなく二人を一緒に動かざる得ない雰囲気にします。
ラクダが見つけてくれた幼いころの自分たちの育った放牧地の変わり果てた姿も、途中での大ゲンカも、そのあとで出会った僧侶たちの優しさも、すべてが大きな自然に包まれていました。

 

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特に僧侶が兄弟を助けるシーンで、映し出される祁連山脈の清々しさ。その景色が、僧侶の優しさと、兄が垣間見せた弟への愛情が表現されているようでした。
最後、兄が弟へ気遣いを見せ、少し成長した時、ようやくお父さんに出会うのです。
でもそれは、幼い兄弟たちが生きるために成長しなくてはいけない、ということに気が付かされる出来事でした。
お父さんは、できる限りその時を引き延ばしたかったんだなぁ、感じました。

これは私個人の感想ですが、自分達が生きてきた場所こそが最も住み心地のいい場所なんだなぁと、改めて感じました。

兄弟のお父さんもおじいさんも遊牧の民で、それを誇りに思っています。弟も、早くお父さんと放牧に出たいと思っています。
ところが、時代は遊牧の民をじわじわ追いつめるのです。街の方が便利で心地よい空間が提供されるかもしれません。水も食べ物も困りません。
それでも草原で羊と共に生きる生活こそが自分達「本来」の生き方だと。彼らは考えているのです。
いつまでも遊牧の民でいたい、と願うこの親子に時代が無情に押し寄せていく、そんな風に感じました。


ほろ苦いストーリーですが、兄弟とラクダとのちょっとした交流や、弟の心の情景に感動すること間違いないでしょう。

『僕たちの家に帰ろう』公式ホームページはこちら

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題名:
「僕たちの家(うち)に帰ろう」
公開:8月29日(土) シアター・イメージフォーラム他全国順次ロードショー
写真コピーライト:(C)2014 LAUREL FILMS COMPANY LIMITED
オフィシャルHP www.magichour.co.jp/uchi/
監督・脚本・編集・美術:リー・ルイジュン
出演:タン・ロン、グオ・ソンタオ、バイ・ウェンシン、グオ・ジェンミン、マ・シンチュン
配給・宣伝:マジックアワー
2014年/中国/103分/カラ―/デジタル/1:1.85/テュルク語、北京語
原題:家在水草豐茂的地方
英題:River Road
第27回東京国際映画祭コンペティション部門上映タイトル『遥かなる家』

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