2015年12月10日 (木)

日本とトルコを結ぶ友好の物語、「海難1890」が劇場公開

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2015年もいよいよ師走に入りましたね。
今年は日本とトルコの友好125年という一つの節目の年。
12月5日には二国合作の映画「海難1890 」が公開され、
今、改めてトルコとの関係が話題となっています。

トルコは親日の国、とよく耳にしますが、みなさんはそのきっかけと
言われる“エルトゥールル号海難事故”のことをご存知ですか?
1890年9月、初めてトルコから親善使節団が訪日し、明治天皇に
謁見した帰りのことでした。時節柄、強大な台風に襲われてしまい、
使節団を乗せた軍艦・エルトゥールル号は和歌山県樫野崎で座礁。
残念ながら沈没し、500名以上の被害者を出す痛ましい事故と
なってしまいます。
このとき、生存者の救出・介護にあたったのは、近辺の漁村(大島村
/現在の串本町)の人々でした。鎖国が解かれて間もない明治前~
中期のこと、言葉の通じない外国人への対応は困難を極め、台風の
ために食料の蓄えもわずか。しかしながら、そんな中でも非常用の
鶏をけが人へまわすなど、村人の献身的な救助活動によって69名
が命をつなぐことができたのでした。
この一件はトルコでも新聞を通じて伝えられ、現在も、学校の授業で
取り扱われることがあるそう。時を経ても大切に、歴史として伝えて
くれているのですね。

さて、表題の映画では、エルトゥールル号の事故の件に加え、“もう
一つの物語”にもスポットライトを当てています。
時は流れ1985年、世界はイラン・イラク戦争の最中、緊張の高まる
イランに取り残されてしまった日本人。そのとき助けの手を差し伸べ
てくれたのは、他でもないトルコの人々でした。危険を冒してまで
助けてくれた彼らの思いとは…
時代を超えて繋がった友愛に、二国間の関係を考えさせられる
ヒューマンドキュメンタリー仕立ての本作。
私も早速、映画館へ足を運んでみたいと思います。

国際関係はおいそれとは深まらないもの…と痛感するニュースも
多い今日この頃ですが、だからこそ、これまでに築かれた友好は
大切にしていきたいものですね。(影山)

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