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2015年12月

2015年12月28日 (月)

辻井伸行さん ウィーンでのピアノコンサート

2015年5月、今や日本を代表するピアニストの一人、辻井伸行さんが、オーストリアのウィーンにてコンサートを行いました。
佐渡裕さん指揮、ウィーンのトーンキュンストラー管弦楽団との共演で、演目はプロコフィエフの「ピアノ協奏曲第3番」。会場は、ウィーンフィルがニューイヤーコンサートを行うことで有名な、あの楽友協会ホールの黄金の間でした。その様子は、昨日BSフジで放送されましたのでご覧になった方もいらっしゃることと思います。

Gakuyu

普段からコンサートに慣れ親しんでいる欧州の聴衆の前で、熱のこもった演奏を遂げた辻井さん。多くの偉大な音楽家を輩出したオーストリアでの公演は、特別なものだったことと思います。鳴り止まない拍手のなか、辻井さんは指揮者の佐渡さんに手を引かれてもう一度登場。

アンコールは、フランツ・リストの「ラ・カンパネラ」。

辻井さんのピアノの音色はとても繊細で、優しくて、そして悲しさと強さも同居している。-私はそう感じました。その演奏には大変感動しましたが、印象的だったのはテレビに映し出された聴衆の様子でした。
辻井さんへ向けられた真剣な眼差し、頷きながら、音を噛みしめながら、そして目頭を熱くさせながら…。楽団員からも、うっとりとしたため息が漏れる様子。

放送を見逃した方、そしてもう一度辻井さんの演奏を見たい方、
2014年のリヴァプールフィルとの共演の様子が、大晦日の夜、BS朝日にて放映されます。
12月31日(木) 21:00~22:54奇跡のピアニスト 辻井伸行「ビートルズの街で弾く至高の旋律」(再放送)

もし、生で聴くことができれば。―その空間・時間は唯一無二のもの。強く感情を動かしたものは、一生心に残るものです。

辻井さんは、2016年4月に再びリヴァプールに渡ります。
辻井伸行さんのピアノコンサートを聴く英国ツアーはこちら。
ベートーベンの「皇帝」が披露される予定です。(河合郁)

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2015年12月24日 (木)

美術史の突然変異と言われたヒエロニムス・ボスの世界へ

クリスマス・イブの今日は、熱心なキリスト教信者だったと言われる謎の天才画家、ヒエロニムス・ボスの世界をご紹介します。
ヒエロニムス・ボス ―本名をヒエロニムス・ファン・アーケンという男が生まれたのは1450年頃。生まれ故郷のオランダ、スヘルトヘンボスの地名をとって名乗ったものと思われます。
完全真作と認められるボスの作品は世界でたった20点。代表作はマドリードのプラド美術館にある「快楽の園」でしょう。

快楽の園

220cm x 150cmの大きな三連祭壇画の前に立ったら、左パネルから右へと見ていきましょう。
左パネルにはアダムとイブの天地創造の場面が描かれています。
清々しく見えるシーンから始まり、中央パネルに目を移すと裸の男女が戯れる場面へ変わっていきます。赤い木の実や貝は性的な意味を含むとされ、人間が淫欲に溺れる世界が広がります。
繰り返しになりますが、これは祭壇画です。中央パネルにはキリストや聖母マリアであるのが常識で、快楽に浸る人々を描くとは考えられないことでした。

Kairaku_chuo

快楽の世界を表した中央パネル。
みんな楽しそうです。


P4

動物が非常に写実的に描かれています。
フクロウもかわいいですね。

さて、右のパネルへ目を移します。
場面は黒々とした、暗黒の世界。何かに喰われる者や、苦しみに歪む顔で埋め尽くされ、快楽の限りを尽くした人間の行く末は地獄ということでしょうか。

Kairaku_jigoku

人間を楽しませるはずの楽器でさえも、拷問用具に成り代わります。
上部に描かれた白い顔の男は、ヒエロニムス・ボス本人では、と考えられています。

P2

中央のサイコロを頭に乗せた女性の左は悪魔のような顔をしています。
サイコロやトランプ遊びに興じていた人間は悪魔に苦しめられているようです。

ボス作品の特徴は今でこそ「キモ可愛い」といえるキャラクターやシュールな世界で満ちています。これが描かれたのが500年も前というから、ボスのイマジネーションに驚かされます。

現在、東京の三菱一号館美術館にて開催中の「プラド美術館展」では、ボス作品が一枚展示されています。
「愚者の石の切除」という、とても小さな作品ですが、しっかりボス・ワールドが展開されていて、細部までじっくり観たくなる作品です。(会期は2016年1月31日まで)

2016年は、ボスの没後500年の節目の年を迎えます。2016年5月8日まで、オランダのスヘルトヘンボス市ではボス展が開催され、ヨーロッパ各国とアメリカに散らばるボス作品の多くが集結します。
ボスが生きた時代以降で、こんなに彼の作品が集まるのは最初で最後かもしれません。
先ほどの「愚者の石の切除」も日本公開のあと、スヘルトヘンボス市のボス展で展示されます。

ボスが生きた500年前の中世ヨーロッパは、オスマン帝国の脅威や、宗教改革、そして西暦1500年に最後の審判が行われるという終末思想が蔓延した、先の見えない、しかし何かが変わろうとしている時代でした。
そんな時代が生んだボス作品は、現代人にとっても重要なメッセージを発しているように思えます。(河合郁)

スヘルトヘンボスのボス展と、今回プラド美術館に残る「快楽の園」も一度に見るツアーはこちら

 

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2015年12月18日 (金)

素朴で温もりあるイルミネーション

上五島の冷水教会

みなさん、こんにちわ。ぐっと冷え込んできましたね。
ユーラシア旅行社の吉村です。

街を歩けば、色々なところでイルミネーションが美しく、そろそろクリスマスが近づいてきたなぁと、しみじみ思う今日この頃です。

上五島の青砂ヶ浦教会

さて、先日もご紹介させて頂きましたが、五島列島に行った添乗員から、イルミネーションの写真が届きました。

上五島の冷水教会

今回訪れた上五島にも多くの教会があり、そのひとつひとつの教会が、信者さんたちの手によって、この時期だけイルミネーションに彩られます。
都会にある豪華な煌びやかさはないものの、素朴でどこか温もりを感じる、そんなイルミネーションに、私の冷え切った心も、ポカポカと温められるのでした。

上五島の教会

それでは、みなさまもご体調にはお気を付け下さい。(吉村)

五島列島など、国内旅行はこちらから。

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2015年12月10日 (木)

日本とトルコを結ぶ友好の物語、「海難1890」が劇場公開

Photo_2

2015年もいよいよ師走に入りましたね。
今年は日本とトルコの友好125年という一つの節目の年。
12月5日には二国合作の映画「海難1890 」が公開され、
今、改めてトルコとの関係が話題となっています。

トルコは親日の国、とよく耳にしますが、みなさんはそのきっかけと
言われる“エルトゥールル号海難事故”のことをご存知ですか?
1890年9月、初めてトルコから親善使節団が訪日し、明治天皇に
謁見した帰りのことでした。時節柄、強大な台風に襲われてしまい、
使節団を乗せた軍艦・エルトゥールル号は和歌山県樫野崎で座礁。
残念ながら沈没し、500名以上の被害者を出す痛ましい事故と
なってしまいます。
このとき、生存者の救出・介護にあたったのは、近辺の漁村(大島村
/現在の串本町)の人々でした。鎖国が解かれて間もない明治前~
中期のこと、言葉の通じない外国人への対応は困難を極め、台風の
ために食料の蓄えもわずか。しかしながら、そんな中でも非常用の
鶏をけが人へまわすなど、村人の献身的な救助活動によって69名
が命をつなぐことができたのでした。
この一件はトルコでも新聞を通じて伝えられ、現在も、学校の授業で
取り扱われることがあるそう。時を経ても大切に、歴史として伝えて
くれているのですね。

さて、表題の映画では、エルトゥールル号の事故の件に加え、“もう
一つの物語”にもスポットライトを当てています。
時は流れ1985年、世界はイラン・イラク戦争の最中、緊張の高まる
イランに取り残されてしまった日本人。そのとき助けの手を差し伸べ
てくれたのは、他でもないトルコの人々でした。危険を冒してまで
助けてくれた彼らの思いとは…
時代を超えて繋がった友愛に、二国間の関係を考えさせられる
ヒューマンドキュメンタリー仕立ての本作。
私も早速、映画館へ足を運んでみたいと思います。

国際関係はおいそれとは深まらないもの…と痛感するニュースも
多い今日この頃ですが、だからこそ、これまでに築かれた友好は
大切にしていきたいものですね。(影山)

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