フィレンツェ歴史地区~パラティーナ美術館~
今週末、5月18日(日)18:00~18:30TBS「世界遺産」で「フィレンツェ歴史地区」が取り上げられます。ユーラシア旅行社のホームページにも特集「フィレンツェ歴史地区」をちょうど公開させて頂きました。ウフィッツィ美術館の名画は色々な場所で紹介されていますので、今回は紹介される事が少ない一歩踏み込んだフィレンツェのみどころを特集させて頂きました。
ルネサンスの栄華が詰まったフィレンツェのみどころは、もちろん特集で紹介されている場所に尽きません。今回はその中から私が好きなパラティーナ美術館を紹介させて頂きます。
パラティーナ美術館は、ドゥオーモやウフィッツィ美術館からヴェッキオ橋を渡った先のアルノ川対岸に位置する美術館です。ウフィッツィから伸びるヴァザーリの回廊の一方の端であるピッティ宮殿内に入っています。ウフィッツィ美術館が主にルネサンス初期~中期のコレクションが多いのに対し、こちらはルネサンス後期以後の時代に収集された作品が多いのが特徴です。特に「小椅子の聖母」や「ヴェールの女」など、ラファエロの作品を数多く収蔵している事で知られています。
フィレンツェの滞在が短いとなかなか足を伸ばしにくいですが、じっくり滞在される場合や二度目のフィレンツェにはお勧めの美術館です。私個人がいつも気になる作品はジョルジョーネの「三つの世代(人間)」(左の画)とティツィアーノの「コンチェルト」(右下の画)という作品です。二人ともルネサンスの後期に全盛を迎えるヴェネツィア派を代表する画家です。ジョルジョーネの方が年上であり、ティツィアーノの初期の作品にはこのジョルジョーネの影響を少なからず見る事ができます。あくまで個人的な印象ですが、縁あって同じパラティーナ美術館に収められているこの「コンチェルト」という作品にはジョルジョーネの「三つの世代」の影響を感じます。(実際に「コンチェルト」は当初ジョルジョーネの作品とされていました)
三つの世代とは、人間の「少年期」「壮年期」「老年期」を指していて、画中に描かれている三人の人物がそれぞれの時代を象徴しています。寓意画に分類される作品ですが、作品と向かい合うと、色々な事を考えさせてくれます。
他にもカラヴァッジョ、フィリッポ・リッピを始め、ルーベンスやファン・ダイクなどフランドルの絵画まで色々見る事が出来ます。機会があれば、是非足を運んでみて下さい。(福永)
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