塔の町サン・ジミニャーノ
その答えは、塔が富と権力の象徴として考えられ、中世の時代、多少でも財産がある人は挙って塔を建設したからです。最盛期には塔の数が約80にも及び、外の人から「百塔の町」と呼ばれました。しかし、勇んで建設した塔もあり、欠陥工事も少なくなく、塔の崩壊事故も度々起こりました。事態を憂慮した当局は、以後塔の建設に規制を加え、塔の数は着実に減って今日ではその数が14になりました。しかし、小さな村なのでそれでも「塔の町」の名に恥じない数の塔が今日まで残されています。
サン・ジミニャーノの観光は通常南側のサン・ジョヴァンニ門から入り、門と同名の通りを北上します。この通りは住宅が並んでいるかのように見えますが、実際のところはほとんどがお店です。サン・ジミニャーノでは町の景観を保つために、商店は基本的に看板は出していないのです。フィレンツェやローマのような大お土産物屋はありませんが、その分こじんまりとしたかわいらしい商品を取り扱うお店も多く、買い物にもお勧めです。特にトスカーナの町らしく、各地のワインや食材がたくさん揃っているので、ちょっとしたお土産にもいいかもしれません。ぶらぶら店を冷やかしながら歩いてみるのも良いでしょう。
サン・ジョヴァンニ通りを抜けると、町の中心チステルナ広場に出ます。ちなみにサン・ジミニャーノは、町の長い辺を端から端まで歩いても10分くらいの小さな町です。その中心チステルナ広場の真ん中にはこの広場の名の由来となった井戸があります。すぐそばにあるシエナのカンポ広場に比べればつつましい広場ですが、それだけにこの町ならではののんびりとした風情が漂っています。ちなみにこの広場の界隈には、ジェラート(アイスクリーム)屋も複数あり、おいしいですね。
ツアーの状況によっては、それ程時間をお取りできない場合もありますが、もし機会があれば、塔に登ってみるのも良いかもしれません。小さな町の全景はもちろん、周囲の田園風景に溶け込んで行くサン・ジミニャーノの風景が見られます。
世界遺産に登録されてから人気になって久しいサン・ジミニャーノですが、フィレンツェとシエナの影に隠れて訪れていない方もいらっしゃるかもしれません。しかし、この町もまた見逃せないイタリアのみどころの一つです。是非お楽しみ下さい!(福永)
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