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2009年6月12日 (金)

ル・ピュイ(フランス)

Le_puy_church フランスの世界遺産の中でも、最も有名なモン・サン・ミシェルは、天然の自然(岩山)と建造物(教会)の組み合わせで出来あがった不思議な景観です。現地発のオプショナルツアーでも、パリからのツアーが毎日のように出発しており、世界でも絶大な人気を誇る観光地です。実はこのモン・サン・ミシェルにも劣らない世界遺産で、しかも同じような奇観がフランスにもうひとつあるのをご存知でしょうか?
本日はモン・サン・ミシェルの陰に隠れた、もうひとつの素晴らしい世界遺産をご紹介します。

フランスのほぼ中央に位置するオーベルニュ地方。この一帯は火山によってできた地形で低い山や丘が点在していて、みずみずしく緑豊かな地域です。周辺の畑ばかり広がる地域からやってくると、不思議とすがすがしい気分になります。日本のスーパーでも売っているお馴染みのミネラルウォーター「ヴォルビック」もじつはこの近くから採取されているのです。

Le_puy_street_2 ル・ピュイは昔から聖地として知られています。その為かスペイン北西部の聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラへ向かう巡礼路の起点にもなっていて、春以降の巡礼シーズンになると大きなバックパックを担いだ巡礼者の姿が多くなります。町を歩き始めると、すぐに尖った岩山の上に教会が乗っかっている奇景が見えてきます。息を切らしながら268段の階段を登ると教会のテラスからは、小さな盆地にオレンジ屋根の建物が密集したル・ピュイの町がぐるりと一望できます。

Le_puy_romanesque 岩山の小さなサンミシェル・デギーユ礼拝堂は12世紀に建てられ、堂内にはロマネスク様式の素朴な彫刻やフレスコ画がひっそりと残っています。町の特産であるレース編みの店が並ぶ路地を歩き、丘の斜面に聳える大聖堂に入ります。主祭壇脇には木製の聖ヤコブ像があり、毎朝聖地サンチャゴへ旅立つ巡礼者達のためにミサが行われています。ここから旅立った巡礼達が名を記したノートを見ると、ほぼ毎日数名から数十人の人々が旅立っているのです。今この瞬間も、多くの巡礼者達が遥か彼方の聖地を目指して歩き続けていることを思うと何だか感慨深くなります。また主祭壇の脇には地元の人々が立ち寄り、献花が耐えない「熱病の石」という真っ黒な石があります。これはキリスト教以前に信仰があった自然崇拝の名残で、石に秘められた不思議な力が病を治すとされています。この他昔からの自然崇拝とキリスト教が融合した珍しい「黒マリア信仰」も盛んで、真っ黒なお顔の黒マリア像も見どころの一つです。

このル・ピュイ周辺には、谷間にひっそりと佇む聖地コンクをはじめ、フォアグラやトリュフで知られる美食の里が点在するケルシー地方などフランスの田舎町には珠玉の村々が数多く残っています。それぞれの町や村に個性があり、また一味違った街角の風景を発見することができるでしょう。都会の喧騒を離れ、フランスの田舎町をのんびり歩いてみませんか?(上田)

*フランスのサンティアゴ・デ・コンポステラに至る巡礼路上の教会や町、歴史的建造物全てが世界遺産に登録されています。(1998年)

ル・ピュイへ行くツアーはこちらから

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