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2009年7月28日 (火)

ボイの谷

ボイの谷、サンクレメンテ教会「山の中の小さな教会の写真、あるでしょう?あれを見てずっとここに来たかったの」と、言われたことがあります。それも一度・二度ではありません。

旅先へのそういった憧れは珍しいものではないのかもしれません。でも、ボイの谷にはやはり、人の心の憧憬になるに足る魅力があるのだと思います。

地図で探すのも難しい、ボイという小さな谷は、フランスとの国境を貫くピレネー山脈の南麓に位置しています。谷の北側にはアイギス・トルテス国立公園への入口があり、また谷の東にはスキーリゾートの建設も進んでいます。

数十年前まで、ボイは寂れた寒村でしたが、谷に点在する小さい村の小さな教会群が、「ボイ渓谷のカタルーニャ・ロマネスク教会群」としてユネスコの世界遺産にも登録されたことと、自然観光資源の見直しが進んでからは、観光客や別荘で過ごす人々で活気を取り戻してきました。(それでも、現在の「谷の人口」は相変わらず少ないままです)

ボイの谷にいくつかある教会の中で、冒頭の話のように憧れる方が多いのが、すらりと伸びた鐘楼(かつては防衛の物見の役割も果たしたといいます)が印象的な、タウールのサン・クレメンテ教会です。

サンクレメンテ教会のフレスコ画(カタルーニャ美術館蔵) サン・クレメンテ教会は12世紀に作られたものです。この時代カタルーニャ地方(現在ではスペイン北部からフランス南部に跨る地域)では教会建設ラシュで、現在でも1900ものロマネスク教会が残っています。

教会の、谷を取り囲む山の重厚な石の壁、スレートの屋根は村の家々と同じです。どっしりとした堂内は小さな窓から差す明かりにも映える原色のダイナミックなフレスコ画で飾られています。ダイナミックな全能者キリスト、神々しい聖母子など、どの教会もそれぞれの祭壇画がありました。しかし、痛みやすいフレスコ画は、現在では保護の為に壁ごとバルセロナのカタルーニャ美術館に移されています。ですので、実はこの谷に来ても、教会の中で見られるのはレプリカなのです。

タウールにて(4月弊社添乗員撮影)それでも、ここまで足を運ぶ意義は、教会と山と村とが織り成す素朴な美しさと、その空気の中に身を置く事だと思います。

サン・クレメンテ教会の鐘楼を登っていくと、階段というよりは梯子のよう。鐘に頭をぶつけないように、塔の上からタウールの村を眺めた春のある日、遠くからベルの音が聞こえて、目を向けると村の麓から悠々と羊達が登って来るところでした。

ボイの谷には季節ごとの魅力があります。冬はピレネーの山が雪に覆われ、峠越えが難しいのですが、春は野花が教会の周りを賑わし、夏は青い空に高く伸びる鐘楼が映え、秋は黄葉が鮮やかに景色を彩ります。

澄んだ山の空気に素朴なロマネスク教会、素朴な人々。ボイの魅力は写真だけでは伝えきれません。ぜひ現地にて、五感の全てでボイを楽しんでください。

(山岸)

ボイの谷を訪れるツアーはこちら

★バルセロナのカタルーニャ美術館訪問を含むツアーもあります。北スペインの旅は4~10月出発です。(翌年のツアーは、例年12月発表)

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