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2009年12月 2日 (水)

モツィア(シチリア島)

Trapani シチリア島西部の沖合いにモツィアという小さな島が浮かんでいます。あまり知られていない島ですが、何を隠そうこの島は歴史的には貴重な遺構です。何故ならカルタゴを中心に栄華を誇ったフェニキア人達の貴重な遺構が残っているからです。ローマ帝国に滅ぼされたフェニキア人達の都市はカルタゴを始め、その大半がローマ人達によって徹底的に滅ぼされた為、その遺構はほとんど残されていないのです。

モツィアは本国カルタゴからも近く、シチリア島への前線基地として利用され、紀元前5世紀頃にはシチリア西部でも最も繁栄している都市の一つであったそうです。陸から少し離れた沖合いに浮かぶので防御にも適しており、カルタゴ船が頻繁に往来したようです。また、塩の生産も行われていたという記録があります。


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Mozia今日のモツィアへ渡るには、シチリア本土の西部にあるトラーパニという町の塩田地帯(地図では拡大して上部に位置)から船に乗らなければなりません。余談ですが、以前倶楽部ユーラシアの「トラーパニの塩」でも紹介されていたように、この町はイタリアでも最も有名な塩の産地です。この塩の生産はフェニキア人達に遡ると言われています。

中型ボートに乗って進むと、約20分でモツィアの島が見えてきます。島には邸宅跡を中心とした遺跡と博物館があります。かつてフェニキア人の富裕層が住んでいたと思われる邸宅跡にはモザイクの床も残っており、当時の生活を髣髴させます。墓場であったネクロポリスに加え、トフェットと呼ばれる場所もあります。カルタゴにも同名の場所がありますが、ここはローマ人が野蛮と断じた幼児御供が行われていたと言われる場所です。果たして本当にフェニキア人達が人身御供を行っていたかどうかは諸説ありますが、この場所から実際に幼児の骨が複数発見されており、この習慣を裏付けるものとされています。

Mozia_statue 島の博物館は、この島の発掘に尽力したホイタッカー氏(マルサラ酒で財を成したイギリス人)の名前を冠し、ホイタッカー博物館と呼ばれています。この博物館の目玉は何と言っても「青年像」と呼ばれる彫刻です。美しい白大理石で彫られたこの青年像は、紀元前6~5世紀頃の作とされています。同じシチリアにあり、万博で来日もした踊るサテュロス像と並ぶシチリアの至宝です。他にもフェニキア人達の重要な貿易財であったミューレックス(紫染料)や出土したした生活用品など小さな博物館ながら世界の他の博物館ではお目にかかれないような貴重な展示が並んでいます。(上田)

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