コンスエグラとラ・マンチャの風車(スペイン)
スペイン中央部の高原地帯はメセタと呼ばれています。その中にあるマドリッドはヨーロッパで最も標高が高い首都です。メセタの中でもマドリッドの周辺には、メセタ特有の乾燥したなだらかな丘陵地帯が広がっています。行政的な区分ではラ・マンチャと呼ばれており、ひょっとしたらこちらの名の方が馴染みがあるかもしれません。
ラ・マンチャはご存知セルバンテスの名作「ドン・キホーテ」舞台です。文学史にその名を刻む「ドン・キホーテ」は、出版史上最も刷られた小説であり、小説の枠を越えて全図書に範囲を広げても部数で「ドン・キホーテ」に勝るのは聖書だけと言われています。
作品の中でドン・キホーテが風車に突っ込んでいくシーンはあまりに有名でしょう。ラ・マンチャ地方の小さな町であるコンスエグラにはそんな風車が残っています。
コンスエグラは、マドリッドからほぼ真南の方向に約100km進んだところにあります。丘陵地帯に囲まれており、中世のお城がひっそりと佇んでおります。人口は1万人ばかりで、主な産業は農業です。
このコンスエグラのお城がある町のはずれに風車群が並んでいます。丘の稜線にジグザグ並ぶ姿は、正にドン・キホーテの世界その物です。絵になる風景を前にシャッターを切らずにはいられないでしょう。
時と場合によりますが、風車は通常中を覗く事も出来ます。と言っても特別何かがあるという訳ではありませんが。風車とラ・マンチャの大地と空の姿を眺めながら遠目から見るのがコンスエグラの風車群の正しい楽しみ方でしょうか。
コンスエグラはやや不便な場所にあるので立ち寄りにくいかもしれません。しかし、ガウディのバルセロナ、アンダルシアのエキゾチズム、首都マドリッドと並ぶスペインを代表する風景の一つだと思いますので、個人でもツアーでも足を運んでみて下さい。(福永)
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