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2010年5月11日 (火)

バガン遺跡特集③ 微笑みの秘密 ~「アーナンダ寺院」

Fulltempleblogtemplate ミンガラバー!前回はパゴダのうち、「仏塔」を代表する「シュエズィーゴンパゴダ」をご紹介しました。続きまして、今日はバガンにある「寺院」の中で最もバランスが美しい建築と言われている「アーナンダ寺院」をご紹介します。
 アーナンダ寺院は1091年にチャンスィッター王によって造られました。ヒマラヤ山脈にある洞窟を真似て造られ、仏陀の従弟、又は弟子でもある「アーナンダ」に因んで「アーナンダ寺院」と名付けました。仏陀と一番近くにいるような居心地Blogtemplate_2をお参りに行く人々に感じさせるため、この名前を付けたとも言われています。

 寺院は上空から見ると正方形です。全体は白く塗装されていて、塔の形もとてもバランス よく綺麗に見えます。東西南北に4つの入口と参道があり、参道には奇麗なレリーフなどが残っています。4つの入口の奥には高さ10メートルぐらいの巨大な仏像(立像)がそれぞれ1体ずつ祀られています。

Windowarchblogtemplate 寺院の内部には通路が2つあり、王族と宮廷の人達は近くからお参りできるように内側の通路を使い、国民は外側の通路を使ったと言われています。その2つの通路には明かり取りと風通しのため、窓のようなものがいくつか造られ、様々なサイズの仏像が祀られています。当時、寺院の中は仏像が2万体近く迄あったとも言われていました。
東西南北に祀られている4体の仏像のうち、北と南の仏像だけは造られた当時のオリジナルのもので、一本の松の木でできています。東の仏像は火事でなくなってしまい、西の仏像は地震の時に壊れたので、その後に新しく造られたものです(その4体の仏像が11世紀Blogtemplate頃と14、15世紀頃の仏像の造り方の違いを表しています)。南の仏像は、近い所から眺 めると、普通のお顔の表情ですが、少しずつ後ろに下がりながら眺めると、少しずつ微笑んできます。最も遠い所では最も微笑んでいるように見えます。これは、現在の仏像の美術文化では、なかなか見られない11世紀頃の特徴的な造り方かもしれません。昔から伝えられている話ですが、仏像の足元まで来て参拝できる王族と宮廷の人達には、国民を優しく治めるようにと厳しいお1250blog 顔、また、入口付近までしか近づけない一般の国民には安心して幸せで暮らすようにと、優しく微笑むお顔に見えるように造ったと言われています。
バガン遺跡には、たくさんの寺院がありますが、「アーナンダ寺院」は、私が好きな寺院の中の一つです。参道にバガン土産を売っているお店の人たちと世間話をするのも好きだったし、南側の仏像の前に立って、後ろに少しずつ下がって見て、自分だけに微笑んでくれているような仏像を見るのも好きでした。アーナンダ寺院は、美術、建築、仏教文化など様々な観点からじっくり見学する価値のあるパゴダですが、一度では全てを語りきれないと思います。又、別の魅力をいつかご紹介したいと思っています。

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