タオルを頭に巻く少数民族「パオ」
ミンガラバー!
シャン州の知られざる観光ハイライトはまだまだたくさんありますが、今日は少数民族「パオ」をご紹介します。
パオ族はミャンマー全国の色々な地域に住んでいます。全国で4、5万人以上いると言われ、今日ご紹介するパオ自治体に住むパオ族は5000人ぐらいです。ここに住むパオ族の殆どは昔からの伝統を守り続けて日常生活を送っている人たちです(住む地域によって伝統衣装を着ないパオ族もいるようです)。
パオ族の多くは州都「タウンジー」から10キロぐらい離れたところに住んでいます。そこは10年前まで現在の政府軍も入れなかった、パオ族が自治する特別な地域でした。この地域のことをミャンマー語で「パオネー」といいます。「ネー」はエリアで、パオ族のエリアという意味です。当時のパオ族は他の民族(主にビルマ族)との交流があまりありませんでした。観光客もタウンジーまでは自由に行き来がありましたが、その先のパオ族が住んでいるところへは行くことが出来ませんでした。
パオ族が住んでいる地域は海抜が高いので夏は涼しく、乾期は寒い毎日です。乾期の朝晩の気温は5度ぐらいまで下がり、まさに東京の冬のようです。竹で造る家が多く、乾期になるととても寒いので、どの家も寒さ対策のため窓を小さく又は窓の数を少なくして造っています(現在は収穫作物の商売などで家計が豊かになり、煉瓦やトタンなどで出来ている家もあります)。
主な職業は農業です。ニンニクや葉巻の葉っぱなどを栽培しています。仏教徒とキリスト教徒が多く、平穏な生活を送っている人が多いようです。
パオ族は竜の母親と超人の父親から生まれて来たという伝説があり、今でも疑わずに信じ続けています。パゴダなどに行くと超人と竜の彫刻が作られています。日常の衣装には彼らの信心深い素直な心が表れています。衣装は黒又は紺の地味な色ですが、頭には色鮮やかなタオルを巻きます。衣装は何枚か重ねて着ます。まずは足巻きを巻き、その上から膝ぐらいの長さの腰巻を着ます(男性は長ズボン)。半袖のブラウスワンピース(男性は白いT-シャツ)とその上は長袖の上着をきます。重ね着は母親のウロコを表していると言われています。タオルの巻き方は男女で意味が違います。男性の巻き方は超 人の頭を表し、女性は竜の頭の形をしていると言われています。又、女性は巻いたタオルの前方に独自のかんざしを飾り、それは竜の目をあらわしています。パオ族はどこへ行っても、仕事をする時も一日中民族衣装です。パオ族の民族衣装は、私たちから見て大変だと思うかもしれませんが、父親と母親を表す衣装は彼らにとって誇りそのものです。又、寒い地域なので防寒のための重ね着と、黒と紺色が熱さを保つので親の愛情のように暖かく感じるとガイドから聞きました。ターバンのタオルも汗の拭くにも便利です。
ようやく2000年頃から一般の観光客も行けるようになった、知られざるパオ族が住む地域。今、観光シーズンになると国内外の観光客で賑わっています。では、次回にはパオ族の聖地「カッグ遺跡」をご紹介します。
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コメント
昨日パオから帰って来ました。純朴で日本の50年前にタイムスリップしたかのように心地よい日々を送りました。食事はバイピーレー
投稿: パオパパ | 2012年12月25日 (火) 20時22分