命がけの修復作業
ミンガラバー!
先週末のアジアフォーラムでは遺跡の保存修復がテーマでしたが、水や草などが遺跡を破壊する原因になると石澤先生がお話されていました。
そこで、今日はチャイティーヨーパゴダの修復作業のこと (金箔の張替え)を少しご紹介したいと思います。
ミャンマーには他の国々と比べ、黄金又は黄色い色に輝いているパゴダが多いと思います。それは、ビルマ人の仏教徒たちは宗教の対象であるパゴダや仏像がいつまでもきれいにいてほしいという気持ちで修復作業を続けているからです。パゴダにお参りに行くと必ず毎回お金を寄付します(私も)。その寄付金でパゴダは3年又は5年ぐらいに1度修復を行うようになっています。
お釈迦様の聖髪が納められている巡礼地の「チャイティーヨーパゴダ」も同様です。いつ も黄金で輝くこのパゴダは普通のパゴダより金箔が落ちやすいです。毎年の大雨や台風などでも金箔がはがれることが多いので、3年に1度ぐらい新しく金箔を貼りなおす作業を行うようになっています。
ミャンマーにあるパゴダの殆どの修復は竹材を使います。チャイティーヨーパゴダは空中に位置しているようなものなので、修復作業はとても難しく、それを行う人々にとっても命の保証がないと言っても過言ではありません。勿論、ここでも修復作業には竹材ばかりが使われています。又、12~3月頃にかけて参拝客が最も多く訪れる時期に間に合うように行われていますので、雨季が終わってすぐの時期(10月頃)に、すべすべしている石に足場を作るのがとても難しいそうです。
修復作業をする人は少なくとも作業の2ヶ月ほど前から必ず仏教の義務である10戒を守らなければなりません。それは、殺生、盗むこと、不倫、お酒、嘘、12時以降の食事、身を飾ること、音楽を聞くこと、高いところに座ったり寝たりすること、お金を触ること(普通の人はかまいませんが、僧侶はできません)などを避けることです。
それを守りながら、命をかけて僧侶や地元の人々が修復を行い続けています。でも、ずっと昔から現在まで修復作業で命を落とすことなどは聞いたことがありません。それも、お釈迦様のおかげであると信じられています。しかし、修復作業を行うことは観光業界や参拝客などになかなか事前には発表されません。登山して頂上に着く時に分かるのが殆どです。皆様もミャンマーに訪れる際、チャイティーヨーパゴダの修復に出会いましたら、残念がらずに、命をかけて修復している人たちを応援してくださいね。
お知らせです!
ASEANの国々の秋を紹介する「ASEAN秋祭り」が日本アセアンセンター・アセアンホールにて開催されます。期間は2010年10月25日(月)~28日(木)09:30~です。皆様もアセアン国々の秋を味わってみてはいかがでしょうか?
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