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2011年8月 1日 (月)

【共通テーマ】わたしの中のヒロイン~女王シンソープ~

Blogtemplate ミンガラバー!私のヒロインは年齢と共に増えてくるものです。今回は1人のヒロインを紹介したいと思います。
ミャンマーの“仏教”の発祥地「モン州」。15世紀頃のモン王国の王女だったシンソープは子供の頃から優しくて、穏やかで、仏教の国に生まれたせいか、とても信心深い女の子でした。母国では“シンソープ”というと知らない人はいないと思います。
でも、彼女の人生は穏やかではありませんでした。時代に流され、翻弄されてきました。モン王国が戦争に負けた時、ビルマ王国に人質として送られたこともありました。しかし、ビルマ宮廷に慣れず、数十年後に逃げ出し、里に戻ったシンソープは父親が亡くなり、混乱していた国を治めることになりました。王位を争う時代でしたので、戦争に出かけながらも、モン王国を長年統治してきました(モンとビルマの歴史上の唯一の女王でもあります)。

2blogtemplate 60代頃に入ると、義理の息子に王座を譲りました。仏陀の元に出来るだけ近づこうと考えたそうです。そして、彼女は仏教の象徴でもあり、聖地でもある“シュエダゴンパゴダ(ヤンゴン)”を99.8m(今の高さ)まで高くし、自分の体重と等しい重さの純金で金箔を施しました(仏陀の聖髪が納められているシュエダゴンパゴダの元の高さは、23m位でしたが、歴代の王様たちによって修復され、今では100m近くです)。建設中にも、毎日パゴダの近くにいて見届けていた言われています。
ミャンマーの殆どのパゴダには、女性は近づくことができません。勿論、仏陀の本物の聖髪が納められているパゴダを女性が指導し、高くすることは簡単なことではありませんでした。でも、それを実現し、自分が仏陀の最も近くにいることを感じ取ったシンソープはどんなに幸せな気分だったでしょうか。
私は、教科書を通して、シンソープを知り、精神の強い女性だと感じました。臨機応変の考え方や、決断が必要な時にもきちんと決めることに憧れます。最も好きだったのは、仏教に対する心です。女性だからと言って諦めずに、体重と等しい重さの金箔を貼り付け、パゴダを建て直した強い心です。現在、母国で金箔の文化が強く根付いたのも、シンソープのおかげかもしれません。また、有名なチャイティーヨーパゴダなどに近づくことができなくても、違和感を持たずに、金箔を誰かの男性にお願いして貼ってもらうミャンマー人女性にとっても、シンソープは心の支えになっているのかもしれませんね。

【共通テーマデー「わたしの中のヒロイン」】
〔添乗見聞録編〕~ダリットの女王マヤワティ~
〔倶楽部ユーラシア編〕~イザベラ・デステ~
〔ぶらり秘境探検隊編〕~動物のお母さん~
〔ろまねすく通信編〕~ジョルジア・ボスコロ~
〔船の旅便り編〕~ジョセフィーヌ・ド・ボアルネ~
〔パゴタの国からミンガラバー編〕~女王シンソープ~

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