ミャンマー初の世界遺産~ピュー古代都市群
ミンガラバー!
一昨年(2014年)、ミャンマーのピィー(タイェーキッタヤー遺跡)、タウンドィンジー(ベイタノー遺跡)、シュエボー(ハリン遺跡)3都市が『ピュー王朝時代の古代都市群』としてユネスコの世界文化遺産になりました。
ピュー王朝時代とはバガン王朝より古く、2~9世紀の間に栄えたピュー族の王国です。ミャンマーで初めて仏教を信仰した民族で、独自の文化や文字、言語を持ち、数百年にわたって長く流域を支配しました。インドと中国を結ぶ要の王国だったようです。
実はエーヤワディー川沿いにピュー族の都が7つも発見されています。今回その中の3都市が文化遺産になったのです。
ピュー族は木や竹材、煉瓦の家をつくり、主に農業を営んで生活していたそうです。金属の装飾品や陶器生産に従事していた人もいました。遺跡から王宮跡や城壁、仏教の建築物、骨壷、綺麗な装飾品などが発掘されています。
又、死者の灰や遺骨を壺に入れて保管していたことや骨壷の大きさから一つの骨壷に家族全員の遺骨を入れていたことがうかがえます。輪廻転生を信じるミャンマーの仏教は、今日では火葬後の灰や遺骨はそのまま捨てられますので、同じ仏教でも時代によって火葬後の処置の違いがあることを非常に興味深く感じます。
ところで、タイェーキッタヤー遺跡では巨大仏塔が見どころで、大きさは人の何十倍もあります。なぜ、こんなに大きく造られたのかは未解明のままです。今でも地元の人々は毎日お祈りして、近くにある畑を耕してパゴダと共に生活しています。この時代に造られた仏塔の形がミャンマーのパゴダ建築の始まりだとも考えられているのです。
ガイドをしていた頃、ガイドの仲間たちとタイェーキッタヤー遺跡へ行ったことがあります。当時は、外国人観光客をあまり見かけませんでした。世界文化遺産に登録されたおかげで、これらの遺跡を訪れる観光客も増えてきたようです。
『ピュー王朝の古代都市群』は、人類の歴史上重要な一時代を示すものとして世界文化遺産に登録されました。本来ならばミャンマーの観光地として魅力的なバガン仏教遺跡、インレー湖などが文化遺産に..と思うのですが、やはり自然のままの手つかずの遺跡が貴重であることを私たちミャンマー人が再認識すべきだと思いました。
政治や経済の民主化と共にミャンマーのたくさんの古代遺跡が今よりも広く世界に知れ渡る日がやってきますように。
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