アダムとイブ:フロミスタ、サン・マルティン教会(スペイン)
私事で恐縮ですが、数あるロマネスク美術の中で、幻想動物・地獄絵図とともに好きなモチーフ、ベスト3の座に輝くのは、
アダムとイブ、特に「(イブが蛇に唆され、人類が神に逆らい知恵の実を食べてしまう)原罪」と「(それによりエデンの園を追われる)失楽園」です。
多くの教会に飾られている、メジャーなモチーフだけに構図や細かいポーズの微妙な差違を見つけるのが密かな楽しみだったりします。
そんな私の独断と偏見に基づいた「アダムとイブ」コレクションから、いくつか選んで(不定期ですが)ご紹介していきたいと思います。
記念すべき第一回はこちら。北スペイン、ブルゴスの西にある巡礼路沿いの町フロミスタのサン・マルティン教会よりこちらのアダムとイブです。
ピンボケで申し訳ないのですが、柱頭を眺めてみると、左手(悪いやつはだいたい左にいる)の悪魔から耳打ちされるイブ、知恵の木がどっしりと場面の真ん中を支え、絡まる蛇が咥えた知恵の実をイブに手渡しているところ。
反対側にはアダム。その頭上にはもう一匹の悪魔がほくそ笑んでいます。
知恵の実を食べて、自分が裸であることを識ったイブさんとアダムさん。
足と手で体を隠しています。
構図自体はあちこちで見かけるものなのですが、
ここのおもしろいところはもう一方の手と、アダムのうっ、くるしい…という表情。
なかなかリアル。
別に、知恵の実が喉に詰まったわけではありません。
実を口にした事で、目が開け、神罰によって永遠の生を奪われることとなるアダム。
理性的に解釈すれば、存在自体の変化に伴う苦痛が見て取れるのです。が、
そんなことよりも、なんだか背中をたたいてあげたくなるのは私だけでしょうか。。
祭壇の北側、身廊とトランセプト間辺りにある柱の彫刻です。
(山岸)
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