ご生誕:ラ・シャリテ・シュル・ロワール
皆様、素敵なクリスマスをお過ごしですか?
日本では、25日になれば商店の飾りつけはクリスマスからあっという間にお正月に模様替えをしてしまいますが、ヨーロッパまでは1月の6日頃までがクリスマス。
日本の冬休みにあたる期間中はイルミネーションなどもお楽しみいただけます。
さらに、教会に行けばイエス・キリストの生涯を描いた絵画や彫刻がたくさんありますから、 キリスト誕生の場面をいつでも見つけることも出来ます。
もちろん、ロマネスク時代のものも各地に残されています。
柱頭の場合は特にそうなのですが、ご生誕・羊飼いへのお告げ・三賢者訪問が1場面で表されていることも多いです。
右の写真はご生誕と羊飼いへのお告げを描いたものです。
フランス、パリの南80kmくらいのところにあります、ラ・シャリテ・シュル・ロワールのかつてクリュニー派の修道院だった建物の入り口を飾っていたタンパンの一場面です。
聖母マリアの生涯を描いた話の中に登場しますので、画面の中央にお産を終えた聖母が横たわっています。
左側には夫のヨセフ。日本の産婦人科で見かけそうなお父さんの顔です。
右側では羊飼いへのお告げ。天使の優美な姿と、足元のかわいい羊たちに注目です。
聖母の上に乗っているように見えますが、「奥」で牛とロバに見守られているのが生まれたばかりのイエス・キリストです。
拡大してみますとなんとも長閑で穏やかな雰囲気ですが、この世に現れた救世主に後光をつけるのを忘れてはいません。
なかなか興味部会作品の一つです。
ロマネスク美術を鑑賞する上で、聖書をモチーフにしたものは多いですが、描き方はその地方・時代によって千差万別。ご生誕、三賢者訪問など幾つか取り上げてご紹介していきたいと思います。
(山岸)
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