魅惑の持送り その2 モントワール・シュル・ロワール/サン・ジル礼拝堂(フランス)
西フランスの教会を訪ねていると、もちろん堂内のフレスコ画や柱頭彫刻も素晴らしいのですが、教会に入る前から気になるものがあります。
そう、それは持ち送り。
上ばっかり見て歩いているので足元がおろそかになり危険です。
特に、西フランスのモントワール・シュル・ロワールのサンジル礼拝堂は、近くの川の氾濫などで、教会建設時に比べ、地面が1メートルくらい高くなっているので、堀のようにえぐれている後陣付近は要注意なのです。
なぜなら、こんな気になる持ち送りがあるのです。
・・・さあ、これはなんでしょう?
このポーズ再現してみたいのですが、
腰を痛めそうですからやめておきましょう。
お下げを持っているのではないですよ。
頭の上にはおしり、両足を顔の横で持っています。
勝ち誇ったような憎らしい表情にも注目です。
「アクロバット」や「軽業師」という解釈が一般的ですが、こういう俗っぽいモチーフがなぜ修道院付属教会の持ち送りに…
謎です。
この教会を有名にしているのは、後陣(内部)の「キリストの昇天」を描いた3枚のフレスコ画なのですが、
気になる持ち送りをもうひとつ紹介しましょう。
この教会には2匹の魚や、二股の人魚、鎖などいろいろな彫刻があるのですが、左の写真はちょっと良く分からない…。
どうやら真ん中の人物が両手に二人の人物を従えて…といいますか、文字通り首根っこを引っつかんでいるように見えます。
3人とも悲しげな顔でなんだかぐったりしています。
アーモンド状の目やはれぼったいまぶた、への字に曲がった口のせいでしょうか。
どういうストーリーがこの彫刻の裏に隠されているのか…興味は尽きません。
(山岸)
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