« ロマネスクとは(その3:タンパン) | トップページ | ロマネスクとは(その5:柱頭) »

2010年2月16日 (火)

ロマネスクとは(その4:タンパンつづき)

前回、タンパンの紹介で幾つかの教会のタンパンを紹介しました。
コンクについては、既にご紹介していますので、魅力的なタンパンを幾つかご紹介しましょう。

オータンのタンパンは西側入り口を飾るものです。オータン、サンラザロ
最後の審判の様子は、詳細は違えどポイントは同じです。
見逃せないのは天国に向かう一団のこのひとたち。
ちょっとピンボケで申し訳ないのですが、真ん中を行く人のかばんにご注目。
そうです。貝です。帆立貝をつけています。
この人は聖地サンティアゴを目指す巡礼者、彼の後ろにはエルサレムへ向かう巡礼者がいます。
車も飛行機も無かった時代、巡礼の道半ばで不慮の最後を遂げる巡礼者も少なくありませんでしたが、そんな人々は審判の日には天国に迎えられるのだよ、と、巡礼街道筋にあったオータンのサン・ラザロ聖堂のタンパンは教えてくれます。

サン・ピエール・、ウティエ

続いては、サンピエール・ムティエ。
この教会は修道院付属教会で、このタンパンは修道院の回廊から教会に入る入り口にありましたので、一般信徒向けの内容ではありません。
ここで注目していただきたいのは、彫刻の地の部分の彩色です。
カラフルなものが多かったといわれるロマネスク美術の、当時の色彩はこんなところにひっそりと残っていたりもします。

最後にもう一点、スペインから。
アルル(またはサン・ジル)を基点とする道がソンポール峠でピレネー山脈を越え、スペイン側の最初の街となるハカの大聖堂のタンパンです。

ハカ大聖堂y

こちらはかなりシンプルですね。
キリストを示すアナグラム(中央の車輪のようなもの)と、両側のライオンも同時に神の子イエスの、死にも打ち勝つ力と咎人をも許す広い慈愛の姿が示されているのです。

人間の姿で神を描くことがためらわれた時代の名残を見て取ることができます。

魅力たっぷりのタンパン。“大物”が多いですので、教会に入る際には入り口の上を見上げるのをどうぞお忘れなく。

(山岸)

>ロマネスクの旅はこちら

|

« ロマネスクとは(その3:タンパン) | トップページ | ロマネスクとは(その5:柱頭) »

国:フランス」カテゴリの記事

ロマネスク芸術」カテゴリの記事

著:山岸」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« ロマネスクとは(その3:タンパン) | トップページ | ロマネスクとは(その5:柱頭) »