ロマネスクとは(その3:タンパン)
一般に、“たんぱん”という音を聞いて連想されるのは、短いズボンだと思います。
移動中や、空き時間に携帯電話のメール機能を使って作文していると、こういった用語や、図象のことなど、なかなか変換ができなくて苦労します。
しかし教育の甲斐あってか、私の携帯も「たん」と入れれば予測変換でタンパンを表示してくれるようになりました。
さて、建築の用語の中で、タンパンは他で使わないのと、日本語に直しにくいので、なかなか覚えるのが難しいですが、出入り口扉の上の半月状の空間の部分と思っていただければ、だいたい大丈夫です。
一般信徒向けの教会では、特に出入り口上を飾るタンパンには教会側の強いメッセージが刻まれました。
終末思想が広まったロマネスクが生まれた時代には、好んで最後の審判が題材に選ばれ、人々に生活を改めるように迫ったのです。
(1枚目の写真はコンク、2枚目はオータンでいずれも最後の審判をテーマにしたタンパンで有名)
単に半月の空間に画くだけではなく、時代や土地によって、特にゴシックに近づくにつれ、半月の中をクローバーの葉のように空間を切り取ることもあります。
左の写真(サン・ピエール・ムティエ)のように、その隙間に4福音書記者を配したデザインもありますよ。
(山岸)
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