« ロマネスクとは(その5:柱頭) | トップページ | スペインのビール »

2010年2月19日 (金)

ロマネスクとは(その6:柱頭の続き)

サンテニヤン

さて、前回紹介した柱頭ですが、この柱頭彫刻の面白いところは、壁画より一層限定された空間を用いて表現をするため、デフォルメが加わりやすく、それが個性のように感じられる点だと個人的には考えています。

たとえば、今回ご紹介する3点ですが、いずれも新約聖書のエピソードで、ヘロデ王による嬰児虐殺の難を逃れるため、幼子イエスが父母とともにエジプトを目指すというくだりを描いたものです。

同じ場面を描いていても、教会の建てられた時代・石工の好み・立地(それによる人々の好みや石材の違い)、または教会の規模によって描かれ方はずいぶん違ってきます。ソーリュー

「手本」となった写本などの影響で、なんとなく聖父ヨセフが手綱を引き、ロバに聖母と幼子が乗っている図は共通ですね。
柱の角をはさんで、父と母子が別れる構図も多いようです。

3人の表情もそれぞれに違うので、比較してみるのも面白いですね。
母子が独立した「聖母子像」として正面を向いて厳格な表情を浮かべているものもあります。
ヨセフの表情や動き、ロバの様子もちょっとずつ違っています。

いかがですか?
同じ題材を同じ「柱頭」に表現してもこれだけ違ったものが出来上がります。オータン
タンパンや壁画に比べると「小粒」なものが多い柱頭彫刻ですが、結構見ごたえありなのです。

今回ご紹介した写真は・・上からサン・テニヤン・シュル・シュール「サンテニヤン僧会教会」、ソーリュー「サン・タン・ドージュ聖堂」、オータン「サン・ラザール聖堂」(いずれもフランス)の柱頭です。

(山岸)

>フランスロマネスクの旅はこちら

|

« ロマネスクとは(その5:柱頭) | トップページ | スペインのビール »

国:フランス」カテゴリの記事

ロマネスク芸術」カテゴリの記事

著:山岸」カテゴリの記事

新約聖書」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« ロマネスクとは(その5:柱頭) | トップページ | スペインのビール »