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2010年3月

2010年3月31日 (水)

聖週間より:洗足(ラヴァルダン、ノアン・ヴィック)

ラヴァルダンの洗足

枝の主日(または棕櫚の日曜日etc)から復活祭までの1週間の出来事で、
忘れてはいけないのが、キリストが弟子の足を洗うくだり。

人間、謙虚に生きないと。
ということで、食事の前に客をもてなす「洗足」を弟子に実践して見せることで
謙虚さや奉仕の心を伝えたのだといいます。

写真は、ラヴァルダンの「サン・ジュネ教会」から。
フレスコ画なので少し褪せていますが、そわそわと順番待ちをする弟子たちの様子に人間味があり、見飽きません。

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2010年3月30日 (火)

聖週間より:エルサレム入城(アルル、サン・ジル)

アルル、サン・トロフィームのエルサレム入城

移動祭日である復活祭とイースター休暇には、旅行の企画の際いつも悩まされます。
もちろん、各地のお祭で人々の信仰や晴れ姿、にこやかな表情などに触れられるのは楽しいことなのですが。

さて、2010年は、カトリックのカレンダーでは4月4日日曜日が復活祭。
というわけで、今週は復活祭にちなんだ場面をフランスのロマネスク美術からご紹介いたします。

第1弾の今回は「エルサレム入城」
カトリックでは「枝の主日」として、復活祭の1週間前の日曜日に祝われます。

キリストが使途を伴い、ロバに乗ってエルサレムに入城した際、住民が着ていた衣服やナツメヤシの葉(枝)を道に敷いて歓迎したという場面です。

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2010年3月26日 (金)

私の好きな町:ガヴァルニー(フランス)

ガヴァルニー村

ピレネーの山中の村はどこも小ぢんまりとしていてかわいくて好きだ。
スペインのエスポやタウール、フランスで言えばヴェルネ・レ・バンやヴィル・フランシュ・コンフランなど、どこも中世然として素朴で落ち着きます。

そんな可愛らしい村のなかで、特別好きなのがガバルニーです。
ルルドから南に1時間~1時間半山道を走っていったところ、ピレネーの真っ只中、ガヴァルニー圏谷の懐にあり、夏にはハイカー、冬にはスキー客でにぎわいます。

私が訪れたのは初夏、ハイキングのツアーでガヴァルニーを訪れ、2泊村に泊まりました。
宿泊設備はピカピカのジャグジーはさすがになく、それどころかバスタブも望むべくもない田舎ではあるのですが、絶景の山麓で過ごす朝夕は、何物にも替えがたい贅沢でした。

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2010年3月24日 (水)

北スペインの旅より帰国しました!(3月水足)

先日北スペインのツアーから帰国した水足さんに、インタビューしたいと思います。

水足さん、出かけていたツアーを教えてください。
水足:3/13~の「北スペイン・ポルトガル紀行 」10日間の旅です。

お天気、気候はいかがでしたか?
水足:まだ寒かったですね。朝晩は0度を下回りました。
日中も5度くらいでした。
北スペインの緯度は日本で言うと函館と同じくらいなので納得ですね(笑)。
お客様には事前に寒いことを伝えて、防寒用の服を持ってきてもらっていたので助かりました。

今回の旅で一番印象に残った訪問地はどちらでしたか?ボタフメイロ
水足:やはり、サンティアゴ・デ・コンポステラですね。
聖ヤコブの大祭年ということもあって、いつも訪問するときよりも活気に満ちてて、町も良い意味での緊張感に満ちていましたね。
巡礼者の数も既に例年以上で、正午の巡礼者の旅人のミサは教会の外に人が溢れるほどでした。

大聖堂でのボタフメイロ(香炉振り)は見られましたか?
水足:ボタフメイロは正午のミサで見学しました。(写真)
本来は旅人の為のミサなのですが地元の方も多数いらしてました。
ボタフメイロが近づくと地元の方たちが写真を撮りやすい場所を私たちに譲ってくれたり、「まもなく始まるよ」と教えてくれたり、大司教様の説教が終わると見ず知らずの隣の人と抱き合い、握手をするなど心温まる交流がありました。

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2010年3月17日 (水)

徒然葉人間(その2)

スペイン、ポルトマリンの葉人間

ロマネスクの彫刻は聖書のシーンや聖人等を表すものばかりでなく、唐草や葉のような模様も多い。
しかし、葉人間。
ただの葉っぱであれば気にならないのに、そこに顔がある。
しかもおかしな。

とても気になる。
顔があるからには、単に模様という以上の意味があるのだろう。

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2010年3月16日 (火)

徒然葉人間(その1)

ディジョン、サン・ベニーニュ大聖堂の葉人間

ロマネスク彫刻で、個人的に気になって仕様が無いものがある。

それは「葉人間」。

まずそのネーミングに驚きだ。英語では「グリーンマン(green man)」(そのままだ)。
別にふざけているわけではないのだろうけど、なんだか怪獣のようなその呼び名が気になる。

調べてみたところ「葉人間(グリーンマン)」というのはあくまで便宜上の呼び名であり、特別な名前がある誰か、を表しているわけではないらしい。
その為か、一口に「葉人間」といってもその形は実に様々。
共通なのは「葉+人面」というポイントだけで、顔の形も葉の種類も葉の生え方も千差万別。

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2010年3月10日 (水)

思い出の味:ホタテのガリシア風

サンティアゴがあるガリシア地方にいく楽しみは幾つかありますが、 巡礼者の帆立貝とひょうたん
大西洋に面した地域であるため、魚介類が豊富であるということは、必然、名物料理やB級グルメ(?)が楽しみになってきます。

タコの話は以前しましたが、サンティアゴといえばホタテ貝。
中世の巡礼者がサンティアゴに詣でた証として、また
サンティアゴを目指すものの目印として身に着けていたため、今も、ホタテをつけた大荷物を抱えて北スペインを歩いている人を見かけると、お、サンティアゴへ行かれるのだなと分かります。

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2010年3月 8日 (月)

サンティアゴへの道!

去る6日土曜日にサンティアゴ巡礼路の旅行説明会
「聖ヤコブ年」にサンティアゴ巡礼へ!が開催されました。

関哲行先生をお招きしての講演会、
雨の中多くのお客様に頂き、誠にありがとうございました。
会場ではできなかったご質問など、お気軽にお電話・メールなどでご相談下さい。
また、遠方でご来場いただけなかった方は、
先生が講演でお話されたことがさらに詳しく、先生の著書『スペイン巡礼史』に記されていますので、ご興味をお持ちの方はどうぞご覧になってみてください。

さて、会場でもご紹介いたしましたが、フランス映画「サンジャックの道」が、セルバンテス文化センターで上映されることになりました。

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2010年3月 3日 (水)

素敵な寝具(スペイン編)

サン・ファン・デ・ラ・ペニャ

前回の記事に引き続き、今回も教会で見かけた寝具のある風景をご紹介してまいりましょう。
比較的標高も高く、南部に比べて涼しい北スペインではどんな寝具が描かれているのでしょうか。

まずは、ピレネーを越えてフランスからやってくる巡礼者たちが憩うハカの町からさらに南へ行った山中にある、サン・ファン・デ・ラ・ペニャの修道院から。

チケットなどによく印刷されている、この修道院のシンボル的な存在でもある、回廊の柱頭彫刻群のひとつ、「聖父ヨセフへの天使のお告げ」です。
サン・ファン・デ・ラ・ペニャ_アップイスラム教徒が描く天使を思い起こさせる細身の天使(すごいえびぞり)、帽子をかぶっているヨセフの表情もさることながら、かわいらしい水玉模様の枕にご注目。
布団(?)のしわや首もとの部分など、なかなか凝ったデザインです。
体と枕を揺らす天使のしぐさもすてきですね。
石の色が暖色なので、見ていてほっこりしてきます。
とっても暖かそうです。

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2010年3月 1日 (月)

素敵な寝具(フランス編)

フランス、オータン

日に日に暖かくなってはきましたが、まだまだ布団が愛しい季節が続いています。

ロマネスク芸術のツアーで(なくても)教会などを見ていると、夢を見たり床に伏したり、いろいろな場面で「寝具」が出てきます。
すっかり、聖書の登場人物たちも人間の暮らしで表現されるようです。

まずは、おなじみオータンのサン・ラザール聖堂の三賢者。クレープ状の布団に長い枕です。

フランス、モワサック

つづいてはこちらもかわいいベッド。
モワサックのサン・ピエール修道院付属教会から聖母子のベッドです。
馬小屋でのお産のはずですが、まあそんなことはいいのです。
ベッドに腰掛けて三賢者に面会する聖母子はちょっと珍しい構図です。
ベッドの飾りも凝っていますね。
後の聖父ヨセフもなんだかほほえましい。

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