素敵な寝具(フランス編)
日に日に暖かくなってはきましたが、まだまだ布団が愛しい季節が続いています。
ロマネスク芸術のツアーで(なくても)教会などを見ていると、夢を見たり床に伏したり、いろいろな場面で「寝具」が出てきます。
すっかり、聖書の登場人物たちも人間の暮らしで表現されるようです。
まずは、おなじみオータンのサン・ラザール聖堂の三賢者。クレープ状の布団に長い枕です。
つづいてはこちらもかわいいベッド。
モワサックのサン・ピエール修道院付属教会から聖母子のベッドです。
馬小屋でのお産のはずですが、まあそんなことはいいのです。
ベッドに腰掛けて三賢者に面会する聖母子はちょっと珍しい構図です。
ベッドの飾りも凝っていますね。
後の聖父ヨセフもなんだかほほえましい。
右はサン・サヴァン修道院付属教会より。
天井のフレスコ画ですが、酔いつぶれたノア(箱舟で有名なノアは初めてワインを作った人とされています)と3人の息子たち。
「お父さん、素っ裸で寝ていては風邪を引きますよ…」
と発言したわけではないのですが、右の二人の息子は父親に注視しないようにしながら緑の布をかけてあげています。
左側の黄色い服の息子は父親を指差して大笑い。その後ノアに勘当され家を追われるわけで、そんな顛末を聞くと、どこの家庭も似たようなものだとなんだか納得してしまいます。
このノアの3人の息子たちについては聖書になじみがないと名前も人数も親しみがないと思います。
3人はセム、ハム、ヤペテといいますが、彼らが大洪水の後、人類の新たな祖になったことから、「経典の民」であるイスラム教の文章では人類全体を「アダムの子等」ではなく、「セムとハムとヤペテの子等」と表現したりします。
地理や世界史で習う「セム系言語」とか「セム系一神教」という時のセムも、お父さんの醜態を見ないようにしたこの孝行息子の名前に由来しています。
おっと、少し脱線しました。
次回も寝具特集、今度はスペインの教会からご紹介いたします。
(山岸)
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