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2010年4月

2010年4月29日 (木)

山の上のサン・ピエトロ教会(イタリア)

チヴァーテ、サン・ピエトロ・アル・モンテ教会

まさに「アルプス山中にある教会」を肌で体感できるのが、北イタリアの湖水地方で知られる、コモ近郊のサン・ピエトロ・アル・モンテ教会です。
日本語で言い代えたら、その名も「山の上の聖ペテロ教会」といった所でしょうか。
新緑の緑とすがすがしい空気の中、深呼吸をしながらゆっくり登って約一時間位。
はるか眼下に湖を見下ろし、遠くに霞む山々が見える絶景の地に教会が建っています。
息を切らしながら教会に辿り着いた参拝者たちは冷たい湧き水で喉を潤しています。
初夏の爽やかな風が吹きぬけ、すがすがしい気分になります。

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2010年4月27日 (火)

ジョルニコのサン・ニコラ教会(スイス)

ジョルニコ、サン・ニコラ教会

前回は地中海のサルディーニャ島のロマネスク教会をご紹介しましたが、今回からガラリと変わって南スイスとイタリア北部のアルプス山中に点在する教会をご紹介します。

本日ご案内するのは南スイスの小村ジョルニコのサン・ニコラ教会。
緑深い谷中に位置し、葡萄畑に囲まれた何とものどかな教会です。
寂しげにうつむく羊や蛙のようにへばりつくウサギ。
そして裂けんばかりに口を大きく開きおどける様に舌を出した奇妙な生き物達が参拝者を出迎えてくれます。

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2010年4月23日 (金)

縞々のサッカルジャ(イタリア)

サルディーニャ島・サッカルジャ教会

先日、サルディーニャ島・コルシカ島のツアーに行ってまいりました。
両国とも、イタリア本土の中世海洋王国ジェノヴァやピサの支配下にあったこともあり、多くのキリスト教系の修道院が築かれました。
流行の芸術様式はロマネスク。
そう、サルディーニャ島・コルシカ島にはロマネスクの教会がいくつも点在しています。
トスカーナやロンバルディアの特徴を残しながらも、島独特の佇まいが魅力的です。

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2010年4月15日 (木)

巡礼路を歩けば…風車が見える?

コンスエグラにて

スペインを代表する文学といえば「ドン・キホーテ」。
スペインにみる「ドン・キホーテ」を代表する風景といえば風車。
ラ・マンチャ地方を訪れた際に、まさに「オランダ風車」を見学したのですが、現代の日本人から見ると「巨人」という感じはしません。

それよりも、個人的に「巨人」と感じるのが、近代式のプロペラ風車です。
北スペインに限らず、スペインのあちこちで見かけるのですが、
フィテロ橋のあたりで見かけたそれは、重く垂れ込めた曇り空の下、地平にぬっといくつもそびえ立ち、誘導灯らしい赤い光がぼんやり光り、低いブーンという音がかすかに聞こえてきて…なにやらあの映画の「巨神兵」のようで不気味な気がしました。

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2010年4月13日 (火)

巡礼路を歩けば…ヒースに会える?

鉄の十字架に向かう(5月)

今年は聖ヤコブ年!
ということで、テレビや雑誌でもサンティアゴ巡礼路の特集を見かけるようになりました。
おかげ様で、4月下旬から続々とサンティアゴへ行く北スペインのツアーが催行決定し、出発に向けて準備を進めています。

ユーラシアの北スペインの旅では、ちょっとの距離でも巡礼路を歩いてみよう!ということでツアー中に簡単な歩き体験の時間を設けています。

幾つかのコースで、「鉄の十字架」付近を歩いていますが、これからの季節楽しみなのがヒース(エリカ)の花です。

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2010年4月 9日 (金)

聖週間番外編:夢の国で復活祭!?

英国キルペックのかわいい持ち送り

先日、東京メトロの車内吊り広告に目が釘付けになった。

「東京ディズ●ーランドにイースターがやってくる(確かこんな感じの見出しだったと思う)」

イースター(復活祭)。
ユーラシア旅行社でヨーロッパ地域を担当している限り、逃れることのできない重要な祭日。
移動祝祭日である復活祭はツアーを企画する上でチェックを怠れない。

しかし、日本ではクリスマスなどのイベントに比べイースターはそれほどなじみが無い。
ミッション系の学校などではいろいろと行事もあるのだろうが、
クリスマスのように町をあげての盛り上がりを見せる感じではない。

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2010年4月 6日 (火)

聖週間より:ノリ・メ・タンゲレ(ソーリュー)

ソーリュー「ノリ・メ・タンゲレ」

日曜日のキリストの復活に際し、最初に彼の姿を目撃したのは、
母でもなく、愛弟子でもなく、長い髪がトレードマークのマグダラのマリア。
(このあたり、いろんな小説の題材に最適な流れなんでしょう。ロマンチックな絵画も多いですもの)

写真はソーリュー、サン・タン・ドーシュ聖堂より。
一段と大きく描かれているのが復活したキリスト。
ひざまずき見上げるマグダラのマリア。
後方には一緒にお墓参りに来たマリアさんたち。

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2010年4月 5日 (月)

聖週間より:復活…そのとき彼女は(サン・ジル)

ハッピーイースター!
復活祭の日曜日はいつもの挨拶に代わって、キリストの復活をお祝いする挨拶も。
キリスト教の国では、聖週間は仕事も学校もお休みで、日本のお盆やお正月のように、帰省したり旅行に出掛けたりして楽しみます。

サンジル、復活の日の聖女たち

さて、キリストの捕縛に際して弟子たちは身に及ぶ危険を恐れて方々に逃げ出してしまいました。
そんな中、気丈にも処刑に立会い、キリストの死を悼み、埋葬にも立ち会ったのが、聖母マリアら3人の女性たち。

亡くなったキリストをきちんと葬送しないままお墓に入れたのが気が気でならず、日曜日の朝早く、遺体に塗る香油を買ってお墓に出掛けます。
(写真は、サン・ジルの「サン・ジル・デュ・ギャール教会」入り口より。香油は量り売りのようです。)

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2010年4月 2日 (金)

聖週間より:磔刑(サン・ジル、フォントネー)

フォントネー修道院の磔刑

最後の晩餐の席上で裏切り者の存在を示唆したキリスト。
ここから先は劇的にストーリーが進行していきます。
ペテロの裏切りを予言するキリスト、ゲッセマネでの祈り、
そしてユダと祭司たちによる捕縛、尋問、鞭打ち、ゴルゴダの丘行き…
そして、受難の最終場面が磔刑です。

カトリックや正教の地域の教会に入ったことのある方なら、一度はどこかで目にしているモチーフだと思います。

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2010年4月 1日 (木)

聖週間より:最後の晩餐(イソワール)

イソワールの最後の晩餐

さあ、前回に引き続き、聖週間から、「最後の晩餐」をご紹介します。
レオナルド・ダ・ヴィンチのあまりに有名な絵のお陰で、横長のテーブルに師弟13人がそろって食事を取る図をイメージできる方は少なくないはずです。

「この中に裏切り者がいる」という主の発言、ざわめく弟子たち。
と、いう「ステレオタイプ」を打ち砕くのがこの、イソワールの「旧サン・トストルモワンヌ修道院」のこの柱頭彫刻。

この鮮烈なカラーといい、1本の柱をぐるりと回るように配置した構図といい、
スカートか横断幕のような晩餐のテーブルといい、
斬新!と思った一品です。

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