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2010年8月16日 (月)

3人のサント・ドミンゴ、2人目(スペイン)

サント・ドミンゴデ・シロス

北スペインの旅で、「サント・ドミンゴ」と言った時に、
恐らく、ろま部員の頭をよぎるのは、ツアーでグレゴリオ聖歌を聴きに行っている
サント・ドミンゴ・デシロスの修道院ではないかと思う。
シロスのサント・ドミンゴ。
彼が尽力し復興させ、特に写本や文献の収集で中世名を馳せた、サント・ドミンゴ・デ・シロスの修道院、そしてその周りにわずかながらの集落が広がるブルゴス近郊の小さな村。

彼が生まれた年ははっきりしませんが、なくなったのは1073年といわれています。
彼の遺体は、もともと彼のお墓があった回廊から今は教会に移されています。
ブルゴスから車で1時間強の、回りは牧草と険しい石灰岩質の山場という厳しい土地に、ひっそりと佇む修道院は、11~12世紀の黎明期と、16世紀の繁栄を今に伝えながら、何より、現役の修道院という堂々とした風格を漂わせています。

サント・ドミンゴデ・シロスの回廊

この修道院の一部は、私たち観光客にも公開されています。
聖ドミンゴの遺体を祀るチャペルもある礼拝堂と、そこに隣接する回廊です。
この回廊は、スペイン・ロマネスクの最も美しい回廊、と呼ばれていて
4隅の大きな彫刻の中でも人気の高い「不信のトマス」はもちろん、当時の木製の天井や回廊の柱頭彫刻も素晴らしいものがあります。

ルネッサンス様式の礼拝堂は、彫刻を愛でる、といった楽しみとは無縁ですが、
それよりも、グレゴリオ聖歌ブームの火付け役となったCDを収録したところということで
修道士さん達の聖務日課のお祈りにお邪魔させていただき、聞く生のグレゴリオ聖歌のすばらしさといったらありません。
信心がなくても、なんだかじーんと来るところがあるのだから、祈りや歌というものそのもののもつ力を感じます。

(山岸)
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