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2010年8月25日 (水)

モワサックのサン・ピエール修道院付属教会、その1(フランス)

モワサック、サンピエール修道院付属教会

「モワサックの扉口を見なかった者は、何も見なかったと同じである。」
そんな言葉が交わされるほど、緻密でダイナミック、繊細でリズミカルな扉口の彫刻が特徴的な、フランスラングドック地方のモワサック、サン・ピエール修道院付属教会。

小説「薔薇の名前」にも登場するそのタンパンをご紹介しましょう。
黙示録の、「御座の中央と御座の周囲とに4つの活物ありて」というくだりそのままのストーリーではありますが、エーコが数ページに渡って記述しているように、躍動感溢れる人物や生物が所狭しと掘り込まれています。

モワサック、サンピエール修道院付属教会個人的に面白いなと思うのは、24人の黙示録の長老たちのポーズ。
手に手に杯を持って座る長老たちの座り方がみんな違って面白い(衣装もバラバラ!)
蟹股だったり内股だったり、足を組んだり、半胡坐をかいていたり…一つとして同じポーズがないのです。
でも、みんな顔は中央のキリストに注目している。
驚くほど体をひねらせている人もいます。
中央に近くにかけている長老ほど首が痛そう。

12世紀初頭に彫られたといわれる、ロマネスク彫刻の傑作のひとつです。
アルビジョワ十字軍、百年戦争、革命と、動乱の時代を経てもなお、その存在感の圧倒的な力強さは少しも、欠けていないと感じます。

(山岸)
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