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2010年9月

2010年9月29日 (水)

オレオ(残念なお知らせ・スペイン)

オレオ2009年撮影

先日オレオをご紹介しました。

なんてことはない木の倉庫なのですが、
北スペインの、特にラスト100キロを歩くツアーでは、景色にアクセントを添えてくれたオレオたち。
中でも、昨年私が訪れた時には道にまたがる巨大オレオがあり、下をくぐることが出来ました。

それがどういうわけか、今年の添乗員の報告を見ると、なんとこのオレオが消えている!
写真を見れば、なんとまあ、台座だけ残して崩れ去っていました。

もともとかなり年季も入っていて、傷みかかっていたのですが、嵐か何かで倒れたのでしょうか。
1000年変わらず人を運ぶ道の上にも、こんな儚いものがあることに何やら無常を感じずにはいられません。

オレオ2010年撮影上の写真:2009年6月、下の写真は2010年6月に撮影したものです。

(山岸)

直ぐに復旧はされないでしょう。
なんとも寂しい話です。


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2010年9月27日 (月)

旅のお供に:I.コールドウェル&D.トマスン『フランチェスコの暗号』

こんな専門性の高い大学生活を送っていたら、人生違っただろうにと思います。
イアン・コールドウェル、ダスティン・トマスン共著『フランチェスコの暗号』

高校生時代の自分に読ませてやりたいと思う反面、高校時分に(いや大学生でもどうだろう)読んだらきっと挫折していたのではないかしら。

古文書謎解きものの小説にはつきものですが、聖書や西洋古典文学がさらりと(大量に)引用されているので、当時の自分ではつっかえつっかえで読みきれたかどうか。
ただ小難しいことは抜きにして、単に4人の青年を中心とした青春群像劇として読んでもいいと思います。

さて、物語はアメリカで進みますが、ミステリーの中心はルネサンス期イタリア。
単純ですが、読み終わったらとりあえずローマに行きたくなりました。

文庫版なので、旅行に持ち歩くにも調度いいですよ。
(山岸)

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2010年9月24日 (金)

サラマンカの高貴な落書き?(スペイン)

サラマンカ大学の落書き

前回に続きサラマンカから。
サラマンカといえば、世界遺産にも登録されているヨーロッパ最古級の大学、サラマンカ大学。
現在も学生が多く、若い熱気に溢れているサラマンカですが、プラタレスコ様式のファサードなど、観光客にも見ていて楽しい大学都市です。

このサラマンカ大学ですが、壁に(ドクターコースの?)卒業生が書いたという赤い「V」サインがあちこちにあります。
そんな中、写真のような文字も。
1994年に天皇皇后両陛下がサラマンカを公式訪問した際にかかれたものです。
大学の壁にしっかり残っていますから、是非探してみてください。
(山岸)

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2010年9月21日 (火)

サラマンカのホタテ屋敷(スペイン)

サラマンカの貝の家

ホタテといえばサンティアゴ、サンティアゴといえばホタテ。
壁一面にホタテがくっついているこの屋敷は、銀の道沿いにサンティアゴを目指した巡礼を迎えた、サラマンカの街にあります。

この建物もともとは、やはりサンティアゴ巡礼路と巡礼者を守護したサンティアゴ騎士団の所有した建物だそう。
街の人には「貝の家」という名前で親しまれています。

現在は図書館として使用されています。サラマンカ大聖堂近くの観光局の隣にありますので、サラマンカにお出かけの際はよってみてください。
本当に、外壁に帆立貝がびっしりです。

ちなみにホタテがびっしりといえば、レオンのパラドール、サンマルコスの付属教会も内外にホタテがたくさんくっついています。
一緒に行く機会があったらホタテ比べをしてみてはいかがでしょうか??
(山岸)

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2010年9月17日 (金)

思い出の味:マンテカダ(スペイン)

マンテカダ

牛脂を使ったケーキ、というとちょっとぎょっとするかも??
私も最初に聞いた時は、なんだか獣臭そう…だなんてマンテガタに失礼なことを考えたりしました。

北スペイン、銀の道とサンティアゴ巡礼路が交わるアストルガはローマ時代から栄える街ですが、この町の名物お菓子がマンテカダです。
牛脂(マンテカ)を使用したお菓子で、食べた感じはカステラ。もほもほした食感が楽しめます。
ざら目の砂糖が浮いたようなものは一層カステラを彷彿とさせます。

牛脂臭いのかな~と思ったこともありましたが、食べてみると濃厚なミルクのようなコク。
アストルガでお土産を探されるのであれば、名物はマンテカダと覚えておいてくださいね。
(山岸)

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2010年9月15日 (水)

タパスの集いを開催しました

タパスの集い

今日はセルバンテス文化センターにあるスペイン・バル「メソン・セルバンテス」で「タパスで楽しむスペインの集い」を開催いたしました。
お忙しいところご参加頂いた皆様、誠にありがとうございました。

スペイン語やスペイン文化、スペイン語圏の映画の上映など、スペイン旅の前の予習にも最適なセルバンテス文化センターの協力も得て、おかげ様で盛況だったと思います。
(セルバンテス文化センター詳細はこちら

来春までの新コースを掲載した新パンフレットを引っさげ、スペインの旅の魅力をお話させていただきましたが、会の後半には生ハムなどのタパスとスペインワインをお楽しみいただきました。
メソン・セルバンテスは昼・夜レストランとして営業していますので、スペイン料理とワインを楽しんでみたいなという方は、機会がありましたらどうぞ足をお運びください。

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2010年9月13日 (月)

シロス・ロマネスク(スペインと日本)

サント・ドミンゴ・デ・シロス修道院回廊より「不信のトマス」最近素敵な出会いがありました。
母に連れられて訪れた、「三代澤本寿、生誕101周年展」にて。

「型染」の技法で描かれた暖簾や屏風などの作品が並ぶ中に、ふとラテン文字が並ぶパネルが目にとまりました。
「シロス・ロマネスク」「シロスの願文」といった作品が。

シロスって、あのシロス??まさかまさかと思いきや、
図録などの解説を確認すると、やはりあのシロス、サント・ドミンゴ・デ・シロスのことでした。

中近東やアジア、中南米など世界各地を旅するなかで、スペインの小さな修道院も訪れたようです。
回廊や、写真のようなロマネスク彫刻だけでなく、モサラベ芸術との出会いも印象的であったようで、モサラベと題したパネルもありました。

こんなところでまた会うなんて!と、(7月に行ったばかりですが)古い友人にばったり再会したような気分にもなりました。
同時に、世界中を旅した人の中に、スペインのどの観光地でもなく、このシロスの修道院が響いたんだなぁ、と、なんだか身内をほめられたようで、かってに嬉しくもなったりしたのでした。
(山岸)

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2010年9月10日 (金)

新しい世界遺産、アルビ(フランス)

アルビ、ロートレック美術館裏から

先日、今年の新しい世界遺産が発表されました。
その中で、今年新たに世界遺産に選ばれたアルビをご紹介したいと思います。

アルビは、南仏ラングドック地方に位置し、町中には平地を流れて来た、ゆったりとしたタルン川が流れています。
周辺には石材を切り出す山が無いために、この町の古い建物は全てレンガで建てられているのが特徴です。

旧市街を歩いてみると歪んだバルコニー、鄙びた赤いレンガ造りの家々が建ち並び、タルン川に架かる欧州最古の橋のひとつとされる、ヴィユー橋を歩いて渡ってみれば、中世の雰囲気を思う存分味わうことができます。

アルビ、聖チェチリア大聖堂

また、先日ご紹介したアルビジョワ十字軍の名前はこの「アルビ」に由来しています。
実はカトリック教会から異端とされたカタリ派がこのアルビを拠点のひとつにしていたからです。
カタリ派を殲滅し、このアルビを制圧した十字軍とカトリック教会は教会の権威を誇示する為にとてつもなく大きな聖チェチリア大聖堂を建設しました。
写真で見るこの大聖堂は一見すると、まるで強固な城塞そのもの。
高い教会の天井には顔料として特産のパステルがふんだんに使われていますので、お見逃しなく。

(上田)
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2010年9月 8日 (水)

もうひとつの十字軍(フランス)

カルカソンヌ

十字軍といえば、聖地エルサレムを舞台に活躍する騎士のイメージがありますが、今日は南仏ラングドック地方の異端討伐の為に結成された、もうひとつの十字軍をご紹介します。

十字軍はカトリック教会が敵と戦う為に結成する戦闘集団。
異教徒との戦いもあれば、同じキリスト教徒であっても、カトリック教会と対立する派閥を殲滅する目的でも結成されました。
これが13世紀の「アルビジョワ十字軍」です。

この十字軍は同じキリスト教徒を相手に、ヨーロッパ内のフランスの都市を舞台に戦いが行われたのが大きな特徴です。
北フランスから召集された傭兵たちが、戦いで獲得した土地を報酬として約束された為に不要な戦いが頻発し、あまりにも残虐な行為が横行し、証人となる人間や資料が消滅してしまった為に、今でもその歴史は闇に閉ざされたまま。最近になってようやく歴史の研究が始まったばかりです。
アルビやカルカソンヌ、トゥールーズなど、南西フランスの旅で訪れる町々に、今もその手がかりが眠っているのかもしれません。
(上田)

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2010年9月 6日 (月)

旅のお供に:堀田善衞『路上の人』

もし、ご旅行先にフランスのラングドック地方(トゥールーズやカルカッソンヌなど)が含まれているならば、是非お勧めしたい本があります。

堀田善衞、『路上の人』

13世紀のイベリア半島とピレネー山脈、ローマ教皇庁を含むフランス、イタリアを舞台に、「路上のヨナ」と称ばれる、下層に属する浮浪人の目を通して中世のカトリック教会と弾圧されるカタリ派信者たちを中心に当時の人々の生き様を描いています。
特に異端とされた、「カタリ派」討伐という大儀名分のもと、十字軍がカタリ派の人々に行った酷い弾圧には強い衝撃を受けました。

普段、私たち旅行会社の者は彫刻やフレスコ画、建築などのロマネスク芸術の素晴らしさをアピールするあまりに、どうしても教会側の視点になってしまいがちですが、読んでみると、「純粋な信仰心とは何か」ということを考えさせられる一冊です。
(上田)

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2010年9月 3日 (金)

免罪の門(スペインの他の場所)

前回紹介した「免罪の門」ですが、実は同じ趣旨の門・入り口は結構あちこちの教会にあります。
門をくぐって得られる「効果」はその教会の権威次第、といったところですが、サンティアゴ・デ・コンポステラ以外の有名どころをいくつかご紹介しましょう。

レオン、サン・イシドロ教会の免罪の門その1:レオンのサン・イシドロ教会
付属の王室礼拝堂天井のフレスコ画が有名ですが、教会側には免罪の門が付いています。
天国の鍵を持つ聖ペテロがお出迎え。

聖年に開くと聞いていたので、今年は開いているかと思ったのですが、行ってみるとこれが閉まっている。
ガイドさんの話では1月1日が雪の日で、開けないまま今年がスタートし、そのまま開けるタイミングを失ってしまったのだとか!

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2010年9月 1日 (水)

免罪の門(スペイン)

サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂免罪の門の入り口

今年は聖ヤコブ年!サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂の免罪の門が開きます!
と、あちこちでご案内していますが、免罪の門のご案内が未だでした。

中世以来、聖年に開かれるこの免罪の門をくぐると犯した罪が許され、死後天国にいけるのだといわれています。
知らず知らずのうちにでも、積もってしまった罪を許してもらうため、聖年には例年の何倍もの巡礼者がサンティアゴ・デ・コンポステラを目指しています。

2010年、大祭年の今年、歩きに自転車にツアーバスに乗用車…世界中からやってきた巡礼者たちがこの免罪の門をくぐるべく、大聖堂東のキンターナ広場に列成しているのです。

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