ボイの谷のタウール(タウーイ)村(スペイン)
本日、六本木にあるスペイン大使館にて、スペインの集い「ガウディが生きたバルセロナ」を開催しました。
お天気もよく、多くの方にお集まりいただきまして、誠にありがとうございました。
機材トラブルもございましたが、建築家の沼田直樹先生のお話に、皆様が熱心にメモを取り、うなずきながら聞いていらしたのが印象的でした。
さて、普段立ち寄らない六本木の駅から大使館への道すがら、紅や黄色に色付いた木々が並木を作っていて、その下を歩きながら、秋のスペインを思い出していました。
今日の先生のお話の中にも登場しました、カタルーニャ地方の山奥にあります、ボイの谷の秋の景色です。
ピレネー山脈の南麓に位置するボイの谷は、今でこそスキーリゾート地として開発が進んできていますが、それまでは過疎化に悩む寒村でした。
しかしかえって、そういった環境が、中世に築かれた希少なロマネスク教会を今に伝えたともいえます。
今ではボイの谷にある6つのロマネスク教会全てが、世界遺産に登録されています。
写真は、そのうちの一つであり最も有名な、タウール(タウーイ)村にあるサンクレメンテ教会です。
ピレネーの山から採れる肌色の岩と、スレート状の黒い石の屋根を使うのは、村の他の家屋と同じです。
シンプルな外観とは異なり、内部には実に鮮やかなフレスコ画が描かれています。
風雨にさらされ劣化してはいましたが、絵は壁ごと剥がされバルセロナに運び修繕がなされました。
現在は、バルセロナにあるカタルーニャ美術館に保管・展示されています。
(教会内部には「レプリカ」が描かれています)
原色の明るいはっきりとした色使いは、窓が少なくほの暗いロマネスク様式の教会の中でも、絵をしっかり見られるようにという工夫なのだそうです。
この色や人物の表現は、ピカソらバルセロナで活躍した多くの画家たちも目にしており、彼らに少なからぬ影響を与えたといわれています。
ピレネーの山の空気を吸い込みながら教会そのものを愛でるのも、美しく甦った原画とバルセロナで対峙するのも、どちらの旅の醍醐味です。
北スペインの素朴で美しい芸術を抱くタウール村、秋の黄葉、春の野花と一年を通じて楽しめる小さな小さな村です。
(山岸)
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