2010年12月
2010年12月27日 (月)
2010年12月24日 (金)
クリスマスのプレゼーピオ(イタリア)
メリークリスマス!
12月25日はクリスマスですね。
古来の暦では、一日は日没とともに始まりますから、私たちが使っているカレンダーでいうところの24日の日没とともに、『12月25日』が始まります。
クリスマス・イブのイブは文字通り、クリスマス当日の晩を指します。
さて、キリスト教徒にとって一大イベントであるキリスト生誕。この御生誕の様子を描いた彫刻やフレスコ画はあちこちにあり、ちょうど去年の今頃も紹介をしていました。
(記事はこちら)
写真は南イタリアレッチェ近郊のサンタ・マリア・デ・チェッラーテ教会の入り口アーチのもの。
最近見た「御生誕」の彫刻の中で一番気に入っています。
さて、イタリアのクリスマスでは、12月に入る頃からプレゼーピオの飾り付けをします。
プレゼーピオとはキリスト降誕の様子を再現した人形群で、手乗りサイズのものから等身大以上のものまで実に多様なものがあります。
プレゼーピオを飾る習慣は、かのアッシジの聖フランチェスコが提唱したという伝説もあります。
2010年12月22日 (水)
楽しい食卓・その4「最後の晩餐~ユダを探せ~」(フランス、スペイン)
さて、前回に引き続き最後の晩餐の様子をお届けします。
題材に取り上げられることも多く、あちこちの教会で見かけますが、当然のことながら描き方は時代や地域によってそれぞれ違っています。
「テーブル」に「キリストと12人の弟子が着く」所までは一緒ですが、特に、それぞれの特徴が現れるのは「裏切り者ユダ」の表現の仕方です。
(キリストのポジションも真ん中に落ち着いてることが多いですが、端にいることもあり)
前回紹介したノアン・ヴィックのようにテーブルのこちら側に一人だけユダを座らせているものは、わかりやすいですね。イソワールの場合も、キリストにもたれかかる聖ヨハネ越しに、後光のない人物がいて、「この人がユダです」とキリストが私たちに紹介しているようにも見えます。
写真は、フランスのトゥールーズにあります、アウグスティヌス会修道院博物館に収蔵されている柱頭ですが、ユダはこちら側に一際小さく描かれていることに加え、さらにいくつか特徴があり、他の使徒と見分けることが可能です。
2010年12月20日 (月)
楽しい食卓・その3「最後の晩餐」(イギリス、フランス)
楽しい食卓シリーズ、3回と4回は最後の晩餐を紹介します。
最後の晩餐そのものについては、以前イースターの特集で紹介しました(こちら)ので、どんどん作品を紹介していきたいと思います。
最後の晩餐の描き方は、ローマ人の食卓風景のように寝そべった姿に始まりました。
寝ていた人物たちが、現代の私たちもするように椅子にかけ食卓に着くようになります。
同時に、13人の事物の動きとともに、重要なのが食卓に上るものです。
本来は、この食事風景は過ぎ越しの日の模様ですから、子羊の肉を食べているはずなのですが、聖体拝領の起源を伝えるため、キリストを象徴する魚、もしくはパンとぶどう酒が強調されるようになります。
(写真はフランス、ノアン・ヴィックのサン・マルティン教会の最後の晩餐の様子ですが、切り分けたパンがピザみたいです。
この時代、まだフォークはないのでナイフばかりが目立ちます)
ちなみに、最後の晩餐では重要な「こちらを向いている人物たち」と、「食卓の上のもの」という、現実では同時に見ることが出来ないものを、2つを同時に私たちに示すため、写実的ではなくなってしまいます。
けっして遠近法が分からないわけではなく、人間の視界や現実を超越した世界を描くためこうなっているのだそうです。
2010年12月17日 (金)
北スペインの旅より帰国しました(11月名倉・後編)
印象に残ったの旅の味を教えてください。
名倉:スペインで何度か前菜として出てきた生ハムに一票!
来春以降この方面をお考えの方へメッセージをお願い致します。
名倉:このコースはサンティアゴ巡礼には興味があるけどそんなに巡礼路を歩かなくてもいいかなという方、ポルトガルへ行ってみたいという方にお勧めです。
春には各地で野花が見られ、天国のような景色が見られますが、11月も観光地が空いていてなかなかいいです。
また、2カ国訪れることでイベリア半島の地形を楽しめます。
今回の旅はマドリッドからスタートして北上し、ブルゴスから西へ向かい、そしてポルトガルの北から国境に入り、リスボンまで南下する旅程でした。
「スペインのメセタ(台地)から、ガリシアの山地、そして大西洋の見えるポルトガルに入っていく車窓の変化が面白かった」というお声も頂きました。
地形だけでなく、歴史もつながりがあり面白いです。
スペインではレコンキスタの中心ともなったカスティーリャ・イ・レオン王国の首都ブルゴスを訪れ、ポルトガルではそのカスティーリャ・イ・レオン軍とポルトガル軍が戦い、ポルトガル独立を守ったことを記念して建てたバターリャ(戦いという意味)という土地の修道院も訪れます。
ぜひ自分なりの2カ国のつながりや違いを発見して旅を楽しんでください。
2010年12月15日 (水)
北スペインの旅より帰国しました!(11月名倉・前編)
先日北スペイン・ポルトガルのツアーから帰国した名倉さんに、インタビューしたいと思います。
名倉さん、出かけていたツアーを教えてください。
名倉:11/18~の「北スペイン・ポルトガル紀行 」10日間の旅です。
お天気、気候はいかがでしたか?
名倉:実は出発の前に天気を調べたら、毎日雨ふりの予報だったんです……。
でも行ってみると雨降りでも一日中続くことはなかったし、ポルトガルでは予報が外れて一度も雨に降られませんでした。
気温は標高の高い北スペインのブルゴスやレオンは10度を切りましたが
あとは14度から16度位でした。
真冬のコートを持って行きました。
(写真はポルトガルのリスボンにあるベレンの塔観光時の様子です)
2010年12月13日 (月)
楽しい食卓・その2「悪しき金持ちの食卓」(フランス)
食卓シリーズ第2弾。
今回はフランス、モワサックの、サン・ピエール修道院より、「悪しき金持ちと貧しきラザロ」の場面をご紹介します。
ちょっと破損しておりますが、まずは回廊にある1枚。入り口の反対側、西の柱にあったと思います。
欲張りの金持ちが美味しいご飯を食べていると戸口に施しを求めるラザロが現れます。
栄養失調+疫病で全身出来物だらけのラザロ。
しかし飽食の金持ちは残飯すらラザロには与えません。
写真真ん中のエクレアのようになっているのが金持ちの食卓。右に建物があって、そこが家の内外の境界を表しています。
閉ざされた扉の下(外)には、哀れ行き倒れたラザロ。
足のお出来を金持ちの飼い犬がなめています。(このお宅ワンちゃんたくさん)
テーブルについている3人。
しっかり食べ物を握り締めています。
2010年12月10日 (金)
楽しい食卓・その1「ヘロデ王の宴」(フランス、スイス)
ブログ、ろまねすく通信を立ち上げて早1年以上…先日ご一緒したお客様に、山岸さんはグルメネタが多いね。と言われたので、久しぶりにロマの話をしたいと思います。
寝具や聖書の話、人魚などのモチーフを紹介しましたが、今回は「食卓」に焦点を当ててみました。
しかし、ここはロマネスク芸術。
楽しい食卓と題してみましたが、けっこうダークな絵面が並びますが、ご容赦下さい。
いろいろ集めたところ、全4回になりそうです。
どうぞ楽しくお付き合い下さい。
さて、第一回はイエス・キリストと同時代に生きたヘロデ王の食卓をのぞいて見ましょう。
聖書にはたくさんのヘロデ王が出てきます。
そのうち2人が特に有名で、キリストが生まれたときに2歳以下の男子を皆殺しにするよう命令したヘロデ王(俗にヘロデ大王)、そして、戯曲サロメにも登場する今回のヘロデ王(ヘロデ・アンティパス)です。
ヘロデ・アンティパスはヘロデ大王亡き後、兄2人(2人ともヘロデさん)と父の領地を別けてキリストがいた辺りを治めていたといわれています。
そんな、ヘロデ王の宴、楽しげな響きです。
2010年12月 8日 (水)
2010年12月 6日 (月)
フランス・ロマネスク芸術の旅より帰国しました!(10月飯岡・前編)
先日南西フランスのツアーから帰国した飯岡さんに、インタビューしたいと思います。
飯岡さん、出かけていたツアーを教えてください。
飯岡:10/21~の「秘宝カニグー修道院とピレネー、アキテーヌ紀行」10日間の旅です。
お天気、気候はいかがでしたか?
飯岡: ピレネー山脈では、例年よりも早い初雪に見舞われましたが、山の上は黄葉も大変きれいでしたし、ツアー中雨に降られることは殆どなく、晴天の中で過ごしました。
今回の旅で一番印象に残った訪問地はどちらでしたか?
飯岡: もちろんカニグー修道院です。2回目の訪問でしたが、今回もジープで急カーブの山道を登る時に、お客様から歓声があがっていました。
カニグー山の中腹に建つ修道院を展望台から見下ろした眺めが素晴らしいです。(写真)
2010年12月 3日 (金)
旅のお供に:CD山本容子他「Angels Eye」
宗教音楽というと、なんとなく敷居が高い気がしますが、例えば実際にヨーロッパの教会でたまたま出くわしたミサの祈りの声が持つ独特の響きに、しばし時を忘れて聞き入ってしまうこともあります。
言葉や祈りの意味は分からなくても、その声や旋律が持つ力というものは、宗教の垣根を越えて私たちに迫ってくるからかもしれません。
北スペインの旅では、「癒しの音楽」として紹介され、グレゴリオ聖歌ブームの火付け役となった、サント・ドミンゴ・デ・シロス修道院を訪れます。
CDのそれとは似ているようでやはり違う、現役の修道僧が聖務やミサの祈りを歌い上げる声の響きや、包み込まれるような感覚は、ひんやりした石の教会に身を置いてこそ、感じられるものだと思います。
グレゴリオ聖歌などの「癒しの音楽」をお休み前やリラックスしたい時に聞く人もいるといわれますが、最近寝入りばなによく聞く一枚を紹介します。
以前、フランスやスペインのロマネスクツアーをご一緒したお客様にご紹介いただいたもので、日本で聞いても現地で聞いても心地良い一枚です。
北スペインや南西フランスのツアーで、雨が降ったり霧が出た日のドライブの時にはよくバスの中でかけています。湿った緑色の景色がより艶々してくるので不思議です。
収録曲は、「モンセラートの朱い本」からの曲のほか、色々な言語・民族の歌がオムニバス形式で収録されていて、曲調だけでなく題材も面白い曲が多いので、図書館やCDレンタルショップなど、ぜひどこかで見かけたらお手にとってみてください。
いい曲が多いのに、絶版になってしまっているようで、なかなか入手が困難なのが、残念です。
(山岸)
>スペインの旅はこちら
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2010年12月 1日 (水)
【共通テーマデー】もしも私が海外の町に住むとしたら・・・
今日は月に一度の共通テーマの日です。
テーマは「もしも海外の町に住むとしたら…」。いろいろ妄想が広がります。
さて、思いつく条件を挙げてみましょう。
いくつかありますが、
1:海が近い
2:山も近い
3:大都市過ぎない
4:日本人コミュニティーがない
特に最後の4番が重要です。
せっかくなので、どっぷり現地人になりたいですから。
(まあ、日本が恋しくなっても、ヨーロッパなら24時間くらいあれば帰って来られますから、大丈夫です)
そういうわけで選びましたのは…フランス、コルシカ島の中心、アジャクシオです。
アジャクシオといえばナポレオンの生誕地として有名ですが、別にナポレオン好きというわけではありません。
上記条件を満たしている上に治安がよく、旧市街の街並みが気に入っているというのが理由です。
ツアーで私たちの案内をしたガイドのCさんには小学生の子供さんがいたのですが、旧市街町中みんな知り合いだから、子供が留守番している時に何かあったら、誰かが知らせてくれる、といっていたのが印象的でした。
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