楽しい食卓・その2「悪しき金持ちの食卓」(フランス)
食卓シリーズ第2弾。
今回はフランス、モワサックの、サン・ピエール修道院より、「悪しき金持ちと貧しきラザロ」の場面をご紹介します。
ちょっと破損しておりますが、まずは回廊にある1枚。入り口の反対側、西の柱にあったと思います。
欲張りの金持ちが美味しいご飯を食べていると戸口に施しを求めるラザロが現れます。
栄養失調+疫病で全身出来物だらけのラザロ。
しかし飽食の金持ちは残飯すらラザロには与えません。
写真真ん中のエクレアのようになっているのが金持ちの食卓。右に建物があって、そこが家の内外の境界を表しています。
閉ざされた扉の下(外)には、哀れ行き倒れたラザロ。
足のお出来を金持ちの飼い犬がなめています。(このお宅ワンちゃんたくさん)
テーブルについている3人。
しっかり食べ物を握り締めています。
しかし、物語はここでは終わりません。
その後金持ちも病に倒れ、亡くなります。
死後地獄の炎に焼かれながら、金持ちは見ます。
天国で穏やかに暮らすラザロを。
困っている人は、助けるものです。
さて、左の写真は同じくサン・ピエール修道院の付属教会入り口ポーチにある彫刻です。
憂いのエレミアや、玉座のキリストと24人の長老が有名ですが、これもお見逃しなく。
左端に倒れているのはラザロ。足を2匹の犬になめられています。
扉の中にはお給仕の奴隷。主人と女主人に、鍋からよそった食事?を渡しています。
金持ちも奥方も、お腹がぽんぽんなのも、なんだかリアルです。
(山岸)
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