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2010年12月22日 (水)

楽しい食卓・その4「最後の晩餐~ユダを探せ~」(フランス、スペイン)

さて、前回に引き続き最後の晩餐の様子をお届けします。
題材に取り上げられることも多く、あちこちの教会で見かけますが、当然のことながら描き方は時代や地域によってそれぞれ違っています。
「テーブル」に「キリストと12人の弟子が着く」所までは一緒ですが、特に、それぞれの特徴が現れるのは「裏切り者ユダ」の表現の仕方です。
(キリストのポジションも真ん中に落ち着いてることが多いですが、端にいることもあり)
フランス、トゥールーズ、アウグスティヌス会修道院博物館「最後の晩餐」
前回紹介したノアン・ヴィックのようにテーブルのこちら側に一人だけユダを座らせているものは、わかりやすいですね。イソワールの場合も、キリストにもたれかかる聖ヨハネ越しに、後光のない人物がいて、「この人がユダです」とキリストが私たちに紹介しているようにも見えます。

写真は、フランスのトゥールーズにあります、アウグスティヌス会修道院博物館に収蔵されている柱頭ですが、ユダはこちら側に一際小さく描かれていることに加え、さらにいくつか特徴があり、他の使徒と見分けることが可能です。

マタイの福音書の「私と一緒に手で杯に食べ物を浸した者」という記述の表現がひとつ(ユダの右手の動き)と
ヨハネの福音書の「私がパン切れを浸して与えているのがその人」という記述の表現(キリストの右手からユダの口元)の2点です。
後者の表現はヴィックのものにも見られます。

スペイン、サン・ファン・デ・ラ・ペーニャ「最後の晩餐」

この点を押さえておくと、ユダがテーブルの向こう側にいても、多少頭部が破損していて後光の有無が分からなくても、誰がユダかがわかるようになります。

左はスペインのサン・ファン・デ・ラ・ペーニャの回廊の柱頭ですが、さあ、ユダはどこにいるでしょうか??

キリストの右手に座り、噛み締めるようにパンを食べています。尻尾をつかんだ魚の感じも、なんだか示唆的に見える気がします。

最後にもう一点、痛みが激しいので分かりにくいのですが、フランスのサン・ジルのものを紹介いたします。フランス、サン・ジル「最後の晩餐」
顔面は失われていますが、キリスト(聖ヨハネがよっかかっているのでわかります)からパンを与えられていますね。
赤い矢印のところの人物です。

蛇足ながら、この最後の晩餐ですが、13人中2人はテーブルのむこうではなく、横にいます。
(青矢印のところ。写っていませんがテーブルの反対側にももう一人います。2人とも脚組んでいます。)

私はこの使途を見る度、飲み会の予約人数を間違えた時の窮屈な酒宴の光景を、思わず思い出してしまいます…。

それはさておき、
ロマネスクに限らず、皆様もどこかで最後の晩餐を見かける機会がありましたら、ぜひユダ探しをやってみて下さい。
他の使徒たちは区別がつきにくいですが、彼はみつけやすいいので、おすすめです!
(山岸)

>フランス・スペインの旅はこちら

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