共通テーマデー:もしも私が過去の偉人として生まれ変わるなら
本日は共通テーマデー。
新年にふさわしく、希望と抱負に満ちたようなテーマですね。
お題:もしも私が過去の偉人として生まれ変わるなら
偉人と呼ばれる人の中で、出会ってみたい人はたくさんいますが、
その人として人生を送るのならば、私はずばり、イブン・ジュバイルが第一希望です。
簡単に彼の生涯をご紹介いたしますと、イブン・ジュバイルは1145年に、当時イスラム教都の国であったスペインのアンダルシアのバレンシアで生まれました。
イスラムやアラビア語の学問を修め、グラナダの総督の書記官を務めた人です。
彼は敬虔なイスラム教徒であったのですが、禁酒の掟を犯してしまったため、半ば贖罪を求めて、生涯で3度メッカ巡礼を行います。
その1回目の旅行記を日記風に綴ったのが、現在に『旅行記(リフラ)』として伝えれる書物です。
1183年2月~85年4月までの、グラナダからメッカへの往復路。
原題は『旅路での出来事に関する情報覚え書き』です。
テレビも新聞もない時代、
彼の『旅行記』はニュースであり娯楽でありガイドブックでありました。
私たちが、旅行者のブログを読んで旅の計画を練るように、彼の『旅行記』を読むことで、人々は旅先の現地事情(砂漠の旅で死活問題の水場の在り処や難所などの記述)や見所等を人々は知ることが出来たのです。
と、こんな紹介ではカリスマブロガーにでもなりたいようですが、イブン・ジュバイルになってみたいのは、ひとえに激動の12世紀末の地中海世界をこの目で見たいから。
彼の2年3ヶ月の旅程をざっと辿ると、グラナダを出発して海路セウタへ。
そこからサルディーニャやシチリア、クレタ等の地中海の島々を(ジェノバ人の船で!)経由しながらアレクサンドリアへ。
そこからカイロ、紅海、メッカ・メディナで巡礼を果たし、バグダッド、アレッポ、ダマスカス、エルサレム王国アッカを巡り、シチリアを経てカルタヘナに帰港し、グラナダに帰国…と、
今旅してもワクワクするようなところばかりを訪れているのです。
そしてこの時代は(私の)憧れのヒーローたちが活躍する時代でもあります。
カイロからシリアにかけてはサラーフッディーン(サラディン)が、パレルモにはグリエルモ2世がいた時代!!
(彼らが生きている時代に立会いたい!)
さらに歴史の転換きでもあり、洛陽のバグダッド、束の間のキリスト教国家が謳歌しているエルサレムなど、タイムトラベルするなら絶対この時代!という夢のような時代なのです。
歴史の教科書では戦乱の話ばかりの血なまぐさい時代ですが、彼の記述を見ていると後を追っていきたくなるはず!
ヨーロッパとイスラム世界の境界に生き、等身大の視点で両方の世界を行き来し記録したイブン・ジュバイル。
そんな風に生きられたらなぁ…と思う、憧れの旅人です。
(山岸)
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