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2011年1月17日 (月)

他人の空似2(スイス、フランス、スペイン)

モンブラン

他人の空似第二弾です。(前回はこちら
今回の空似は、これ。

そうです。栗のクリームが美味しいあれです。
モンブランをケーキ屋のショーケースや喫茶店のメニューの写真で見かける度に、私が思い浮かべてしまうのは、そう、キリストの洗礼の場面です。

キリストは、彼の先駆者で親戚でもあった、洗礼者ヨハネによって、ヨルダン川において洗礼を受けました。
洗礼の場面に登場するのは、流れる河、水の中のイエス、水を注ぐ聖ヨハネ、着替えオ用意してきた天使など…いずれも柱頭彫刻など、限られた構図で、ひとつの場面に表現するのは難しい素材たちです。

中でも難しいのが川の部分ではないでしょうか?
誰かに、「河とその中にいる人を書け」と言われたら、私達ならどう描くでしょうか?
ロマネスクの教会を回っていて見かける、洗礼の場面の描き方は、皆試行錯誤、色々な方法を試しています。
そのうちの1つが、向こうから手前へ流れてくる様子です。(このタイプをモンブランと私は勝手に呼んでいます)

スイス、ミュシュタイヤの聖ヨハネ/ヴェネディクト会修道院にて

さて、では、まずは左の写真をご覧下さい。
スイスのミュシュタイア、聖ヨハネ・ベネディクト教会にある洗礼の彫刻です。

中央、一見、スカートのようにキリストの腰にまとわりついているのがヨルダン川の水。
盛り上がった形など、モンブランに似ていると思いませんか??
ちなみに向かって左側が洗礼者ヨハネ。キリストの頭上には雲を割って天から降りてくる聖霊(鳩)がしっかり描かれています。

フランス、クレルモンフェラン、ノートルダム教会続いての写真は、フランス中部、クレルモンフェランのノートルダム教会のタンパンです。

イエス一人が川の中にいるのが分かります。
ここも右側には体を拭くための布か着替えを持って天使もスタンバイ。
ちなみに天使もキリストも、後光が「頭上」に輝いている点にもご注目。
いわゆる天使のわっかですよね。Santillana_del_mar3


さて、私がこれまで見てきた中で、一番好きなモンブランは、スペインのサンティジャーナ・デル・マールの参事会教会の回廊で見たものです。
回廊の南側のポーチの柱頭にある「洗礼」です。
残念ながら正面の写真がなく、モンブラン感が半減ですみません。

有名なアルタミラ洞窟などのすぐ近くにある小さな村ですが、
是非お近くにお寄りの際には、ここにも足を伸ばしてみて下さい。
モンブラン状のヨルダン川に、魚がたくさん泳いでいて、水にすけるイエスの体をそっと隠している様子も、なんだかほほえましくて好きです。
(写真は件の彫刻ですが、真横のアングルです。左から2番目がイエスです。)

(山岸)

>フランス・スペインの旅はこちら

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