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2011年2月

2011年2月28日 (月)

他人の空似:アジア編

しばらく更新が滞り申し訳ございませんでした。

2月半ばよりスリランカの添乗に行っておりました。
スリランカといえばセイロンティーやアジアンリゾート建築の父ジェフリー・バワ、宝石やスパイスの産地として古来より有名です。

さて、あまり知られていないかもしれませんがスリランカは上座部仏教の国として、古来よりインドでは失われた釈迦本来の教えを伝えてきた国にでもあります。
そんなスリランカはじめ、アジアの国々では、紀元前から中世にかけて、多くの宗教建築で素晴らしいレリーフやフレスコ画が残されていて、ロマネスク美術好きの方は、結構タイプなのではないかなという国が多いです。

スリランカ、ポロンナルワ王都のレリーフ(餓鬼)

さて、今回添乗しましたスリランカも、各地の遺跡などとても可愛らしい彫刻がたくさんのこっています。
お寺や僧房などへ続く階段の蹴り上げ部分等、あちこちにぽっちゃいした「餓鬼」が刻まれているのですが、先日ご紹介いたしました、軒の下の力持ち、アトラスさんたちにそっくりです。
写真はスリランカ第二王朝時代の都、ポロンナルワの御前会議場の壁面レリーフです。(11世紀頃)

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2011年2月24日 (木)

ベストシーズンの旅、一部値下げさせていただきました!

Flowers_in_may_north_spain_2

ここ2~3日、暖かな日が続いています。
春はすぐそこ、ヨーロッパのベストシーズンも間もなくスタートですね。

本日は、「今年はどこへ行こうかな~」と旅先を検討されはじめた皆様へ、朗報です。
ユーラシアの旅ではアーリーサマー・キャンペーンとして、
北スペインの一部コース・出発日を値下げさせていただきました!
”花の咲く季節” 又は ”祭をご覧いただける出発日” という、プラス・アルファもある出発日です。
皆様のご参加、心よりお待ち申し上げております。


【北スペイン紀行 10日間】
5/13 418,000円→398,000円(2万円値下げ) 
✿ヒースやポピーなど、野花が大地を彩る季節です

【楽しく歩こう!北スペイン、巡礼の旅 10日間】
7/18 418,000円→398,000円(2万円値下げ)
☆アポストル祭で厳粛なミサを見学します

【聖地サンティアゴの祭と北スペインの世界遺産 8日間】
7/20 418,000円→398,000円(2万円値下げ)
☆アポストル祭で厳粛なミサを見学します

【ピレネーの山々を歩く 10日間】
6/21 498,000円→478,000円(2万円値下げ) 
6/28 518,000円→498,000円(2万円値下げ) 
✿ともに、高山植物が可憐に咲く季節です

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2011年2月14日 (月)

おかげさまで25周年を迎えました

Taiyaki2 今日はバレンタイン・デイ。
東京では夜から雪が降り始め冷え込みましたが、皆様のハートは温かな一日であったことと思います。

ユーラシア旅行社でも本日、嬉しい出来事がありました。
正確には昨日(2月13日)なのですが、おかげさまで創業25周年を迎えることができたのです。
これもひとえに、皆様方のご支援の賜物です。
心より御礼を申し上げます。

本日はチョコレートならぬ100個のたい焼きで、社員一同ささやかにお祝いをさせていただきました。
何故たい焼き?と思われるかもしれませんが、
これからも「中身のぎゅっと詰まった」旅や感動をお届けし「たい(鯛)」ということで。

皆様、どうぞこれからも末永く、よろしくお願い申し上げます! (山本)

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2011年2月10日 (木)

他人の空似3:アトラス・テラモン・ビバンダム(後編)

イタリア、シチリア島のアグリジェント、ゼウス神殿さて、前回は人像柱アトラスについてご紹介しましたが、この起源を辿ると古代ギリシャ時代、そしてさらに東方の彫刻へと行き着きます。
特に、建物の柱として製作されたものでは、現在イタリアのシチリア島のアグリジェントにある古代ギリシャ遺跡のゼウス神殿のもの(前5世紀)が有名です。

遺跡においてあるものはレプリカですが、その大きさ(7.65m)には驚かされます。
現代のサッカー場くらいの大きさの神殿に取り付けられる予定でした。
ここではこの人型はアトラスとは呼ばず、テラモン(テラモーネ)と呼ばれています。
ギリシャの他の神殿の柱などと同じように、輪切りにした石材を積み上げて作っているため、ミシュランタイヤのマスコット、ビバンダム君にそっくりだと個人的には、このテラモンを見る度にしみじみ思います。

←ビバンダムことおなじみのミシュランマスコット

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2011年2月 8日 (火)

他人の空似3:アトラス・テラモン・ビバンダム(前編)

ギリシャ、オリンピアのゼウス神殿の破風(古代オリンピア考古学博物館)

今回のタイトルでピンと来てしまう方は、きっとヨーロッパ史の色々な時代を見聞きされてきた方に違いない。
「人像柱」と言われる、人の形をした柱飾りを探すと、ロマネスクにおいては持ち送りなどによく見かけます。

これらを、「アトラス」と呼びますが、アトラスはギリシャ神話に出てくる、世界の空を肩で支える巨人族の仲間で、アフリカのアトラス山や地図帳のアトラス、アトランティックオーシャン(大西洋)などの語源でもあります。
写真は、ギリシャのオリンピアのゼウス神殿の破風レリーフ。真ん中がアトラスです。(前5世紀)

イタリア、コモの大聖堂と旧政庁舎

縁の下の力持ち、という言葉はありますが、ロマネスクの持ち送りの力持ちは、例えばイタリア、コモのブロレット(旧政庁舎)はロマネスク・ゴシック様式ですが、ここのアトラスはとてもにこやかでユーモラス(赤矢印)。
隣のゴシック様式の大聖堂のもの(緑矢印)と並べると、ぽっちゃりした体がとってもかわいらしい。

アトラスはゴシックやルネッサンスにも見られますが、バロックやマニエリスモなどでさらに活躍するようになります。
例えばバロックの町、イタリアのジェノヴァはアトラスだらけで、表情やポーズも実に様々です。写真はジェノヴァのピアッツァ・プリンチペ駅。19世紀後半の建築です。ジェノヴァのピアッツァ・プリンチペ駅

これを見ると、もはや柱というよりも、飾りです。
ポーズもすごく、楽そう。
(何かを支えているというよりも、髪をかきあげている人、という感じ)

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2011年2月 3日 (木)

旅のお供に:映画「神々と男たち」

アルジェリアの子等(ムザブにて)

昨日、映画「神々と男たち」の試写会に行ってまいりました。
グザヴィエ・ボーヴォワ監督のフランス映画。
2010年カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作品ということもあり、アカデミー賞外国語映画賞最有力といわれ、
先日のロマネスクの集いでもご紹介させていただきました。

物語は1996年にアルジェリア東部、メディアの近くの山間で起こった、武装イスラム集団によるフランス人修道士誘拐事件を基にしています。
しかし、事件そのものや未だ未解決の誘拐劇の真相はこの映画の主題ではなく、
厳律シトー会修道士のアルジェリアにおける生活、地元のムスリム(イスラム教徒)の村人達との関わり、そして命を危険にさらされたその時の、苦悩と心のあり方を静かに描き出しています。

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2011年2月 1日 (火)

【共通テーマデー】旅に誘われた私の一冊

本日は1日。
ということで、ブログは共通テーマの日です。

旅心誘う一冊、ということですが、本日は『薔薇の名前』でおなじみのウンベルト・エーコの『バウドリーノ』をご紹介いたします。

話の舞台は1155年から1204年。
語り手バウドリーノはコンスタンティノープル(現イスタンブール)に居り、彼が語る自身の人生に関する「物語」は、エーコの生まれ故郷でもある現在のイタリア、ピエモンテ州のアレッサンドリアから始まり、フリードリッヒ1世=バルバロッサが治める神聖ローマ帝国領、コンスタンティノープル、そして東方世界へと広がってゆきます。

フリードリッヒや、バウドリーノの物語の聞き手となる、コンスタンティノープルのニケタス・コニアテス始め、実在の人物や地名歴史上の出来事(主にフリードリッヒのイタリア遠征の戦)などが話の軸に存在しながらも、ファンタジックな要素がふんだんに取り入れられていることから、「遊び心たっぷりの冒険物語」として単行本の帯などには紹介をされています。

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