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2011年2月10日 (木)

他人の空似3:アトラス・テラモン・ビバンダム(後編)

イタリア、シチリア島のアグリジェント、ゼウス神殿さて、前回は人像柱アトラスについてご紹介しましたが、この起源を辿ると古代ギリシャ時代、そしてさらに東方の彫刻へと行き着きます。
特に、建物の柱として製作されたものでは、現在イタリアのシチリア島のアグリジェントにある古代ギリシャ遺跡のゼウス神殿のもの(前5世紀)が有名です。

遺跡においてあるものはレプリカですが、その大きさ(7.65m)には驚かされます。
現代のサッカー場くらいの大きさの神殿に取り付けられる予定でした。
ここではこの人型はアトラスとは呼ばず、テラモン(テラモーネ)と呼ばれています。
ギリシャの他の神殿の柱などと同じように、輪切りにした石材を積み上げて作っているため、ミシュランタイヤのマスコット、ビバンダム君にそっくりだと個人的には、このテラモンを見る度にしみじみ思います。

←ビバンダムことおなじみのミシュランマスコット

ギリシャ、アテネのエレクティオン神殿のカリアティデス

もう1つ、古代ギリシャを代表する人像柱があります。
ギリシャの首都アテネのアクロポリスにある、エレクティオンのカリアティデスです。(前5世紀)
エレクティオン神殿はパルテノン神殿の側にあり、かつてはパルテノン=処女神アテネの像も祀ってあったといわれています。

ギリシャ、アテネのエレクティオン神殿のカリアティデス

カリアティデスはこの神殿の入り口にある6対の少女像で、頭と豊かな髪で屋根の重みを支えながらもとても優雅に見えます。
アグリジェントのテラモンは神殿の「装飾」であったという考えが一般的ですが、カリアティデスは、神々に使える巫女の役目も担った、ただの柱を越えた存在であったようです。
風雨による磨耗が激しいため、現在遺跡にはレプリカが置かれ、オリジナルは麓の博物館に置かれています(6体のうち1体は大英博物館にあります)
フランス、サン・ベルトラン・コマンジュの回廊

柱や柱飾りとしての人物像ですが、ロマネスクも後期になりますと、次第に像の彫刻に力が入り、柱としての役目を捨て独立した彫像へと変化していきます。
(写真はフランス、サン・ベルトラン・コマンジュの回廊)
パリのシャルトルの大聖堂の入り口のように、ゴシック以降よく見かける立体像へと次第に姿を変えていきました。

一方ユーモアたっぷりのアトラスたちは、持ち送りなどで見かけることも多いので、たくさんいる持ち送りの彫刻の中から、是非一生懸命屋根を支えている人を、見つけ出してみて下さい。
(山岸)

>フランスへの旅はこちら
>イタリアへの旅はこちら、ギリシャへの旅はこちら

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