かわいい黄色い列車(フランス)
旅の移動手段といえば飛行機や船、車に自転車、徒歩など色々ありますが、旅情を一際際立たせてくれる乗り物に、列車があります。
今日は、ピレネー山脈のフランス側を走っているかわいい小さな黄色い列車、プチトラン・ジョーヌをご紹介します。
プチトラン・ジョーヌは、カニグー修道院見学の拠点であるヴェルネ・レ・バン村と麓のヴィル・フランシュ・コンフラン村の名前を取って、「ヴィルフランシュ・ヴェルネ・レ・バン駅」と、スペイン国境近くの「ラ・トゥール・デ・キャロル」駅を結ぶ線、セルダーニュ線の愛称です。
車体の黄色に赤の線はかつてこのあたり一帯に広がっていたカタルーニャ王国の旗(黄色に赤線5本)から取られており、その黄色い車体にちなみ、黄色い小さな列車という呼び名が生まれました。
ヴィルフランシュ・ヴェルネ・レ・バンからラ・トゥール・デ・キャロルまでは3時間ほどの距離。
走り始めて最初は深い渓谷沿いを走ります。
急勾配を上りながら谷を右に左に走るのでスリル満点!
時々渡る鉄橋や石の橋はハイライトの1つ。
乗りながら乗っている列車の写真を撮るのは容易ではありませんが、何度か橋を渡りますので、挑戦されてみてはいかがでしょうか?
さて、だいたい中間近くが路線の最高地点で、そこからは緩やかに下りながら高原地帯を走っていきます。
この線路は山中のコースということもあり、お天気も場所場所で異なるのもおもしろく、3時間で曇りや晴れ、雨と色々体験できます。
夏の間は写真のような展望車を連結することもあるのですが、走行中は各車両を移動することができません。
つまり、展望車に陣取ってしまうと次の駅まで照ろうと降ろうと逃げるところがないので、お乗りになる場合にはご注意を。
通常ツアーではちゃんと客車に席を確保しております。
終点のラ・トゥール・デ・キャロルは国境近くの小さな小さな村なのですが、鉄道好きにたまらない?のがこの駅に集まる3つの路線の線路です。
プチトラン・ジョーヌは山岳線なので幅1000mmの狭軌、北のトゥールーズ等へ続く線路はフランス規格の1435mmの線路、そして南スペインのバルセロナ方面へ延びる線路はスペイン国鉄の1668mmとみんなバラバラ。
これはけっこう世界的にも珍しいポイントだそうですよ。
写真はそのラ・トゥール・デキャロル駅に集合した黄色い列車。左のは最新型でピカピカの車体です。
ピレネーの谷間にひっそりとある鄙びた村なのですが、こんな楽しみもありますので、夏場近くの町で時間ができた時などは、ぜひこのかわいい黄色い列車のことを思い出してみてください。
(山岸)
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