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2011年4月 1日 (金)

【共通テーマデー】私のパワースポット

サンティアゴ・デ・コンポステラ大聖堂 「パワースポット」という言葉から、連想する場所はたくさんあります。
中でも、凛とした神々しさや、血が沸くような高揚感を与えてくれた場所というと、私はオーストラリアのブルーマウンテンズやスペインのクエンカの大聖堂、日本ならば奈良の室生寺を思い浮かべます。
そして、もうひとつ、宗教や信仰とは別の次元で、行く度に言葉にできないパワーをもらっている場所は、やはり北スペインのサンティアゴ・デ・コンポステラだと思います。

私はキリスト教徒ではないので、聖遺物や伝説そのものが働きかけているのではないと思うのです。
では何が特別なのかというと、おそらく、1000年以上、ヨーロッパそして世界のいろんな国の人々を惹きつけて止まないサンティアゴ・デ・コンポステラという特別な場所が放つ空気、1000年ここを訪れてきた数多の巡礼者たちの祈りや足跡が、心を打つのでしょう。

巡礼者たち、サンティアゴ・デ・コンポステラ大聖堂を前に

聖地サンティアゴ・デ・コンポステラには、21世紀の今でも多くの巡礼がやってきます。
もちろん、飛行機や車で来る人も多いのですが、何百キロも歩いてやってくる人たちも少なくありません。

フランスとスペインの国境あたりからですと約800km、およそ1ヶ月の道程です。
文字通り山あり谷ありの道と、出会いと別れの人間ドラマが繰り広げられ、歩ききってたどり着いたコンポステラで、その達成感と幸福感、道中の苦難の全てがあふれ出してくるのです。

そんな人たちで溢れている町だからこそ、どこへ行っても前向きなエネルギーが満ちているのでしょう。
ミサの最後に知らない人ともハグをし心の平安を祈り、巡礼の道程を讃えあい、BARでは様々な言語が飛び交い、いろんな乾杯や故郷の歌が、笑顔とともに溢れていて、見ているだけで、私たちも元気な気持ちに満たされます。

ゴゾの丘にて

これまで、サンティアゴへは色々なツアーで行きましたが、旅の最後の町へ向かって高速道路を走っていくと、ツアーの色々なことを思い出し、聖地の手前のゴゾの丘で、サンティアゴ・デ・コンポステラを照らす夕陽を見ると、旅の終わりが近づいてくるのを感じ、安心したような残念なような、不思議な気持ちになります。
翌日聖堂のヤコブ像を前に(背中側からハグするのですけど)、道中の無事の御礼と、また来ますと自然と呟いている自分に気付きます。

人生をというと大げさかもしれませんが、それぞれが自分の経験を投影することでいっそう特別な場所になる。
何度訪れても、コンポステラが輝きを放っているように感じられるのは、そういう魅力があるからだと思っています。
(山岸)

>北スペインへの旅はこちら

【共通テーマデー「私のパワースポット」】
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